二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ曲小説集】色蝶の行く先 ぷらす オリキャラ募集! ( No.86 )
- 日時: 2011/04/30 13:17
- 名前: 藍蝶 (ID: 3i70snR8)
- 参照: ヤバ、明日午後1時起き確実www
第7話
あれから幾月。
僕は何時もの光を全て無くし、一人あの子の手紙を読んでいた。
いつもなら、笑えていた筈だけどもう、笑えない。
彼女は、もうこの地にいないから。
何処か遠くへ、行ってしまったから。
もう………会えないから。
そんな調子でボケっとしてると、
地獄へ引きずり降ろされる声がした。
「何を見ている?見せろ」
言葉を発したのは前まで見てた屈強な男ではなく、あの子のような金髪、眼鏡をかけた男。
………思いだした。コイツ、此処の長だ。(若いけど)
コイツの一言で此処の奴らは動くと聞いた。
まぁ、そんな事はどうでもよくて、今は手紙を死守するのに精一杯だった。
というのも長続きせず、さすが長だという感じでそこらの見張りを持ってきた。
僕はあっという間に汚れた床に抑えつけられ、手紙を奪い取られた。
「あっ………!」
男は眼鏡をかけ直し、手紙を読み始めた。
途端に男の顔は引き攣り、ニヤッと笑った。
ビリィッッッ!!
一瞬だった。
手紙はビリビリに引きちぎられ、周りの男達はケラケラ笑っている。
「仕事をさぼり、何処かの娘と文通していたようだな。………おい、コイツを”あの部屋”に連れて行け」
———————————————え?
何でコイツは僕と文通してたのが女の子だと分かったんだ?
あの子には悪いが、手紙の文字はガッタガタで間違えている字も少なくない。
実際、貰った手紙全て1文字2文字は間違えていたものだ。
それを女の子と断定するのはかなり難しい。
それと、もう一つ。
手紙が破られたのに、今一つ理解が遅れた。
手紙が盗られた。
誰に?
男。此処の長に。
手紙、どうされた?
手紙………読まれた。
その後。
手紙………破られた!!!
僕は無意識のうちに抑えていた男達の間をすり抜け、長の顔に殴りかかっていた。
「ぐあっ!!」
僕はすぐに取り押さえられたが、少しのダメージは食らったようだ。
「くそっ………すぐに、すぐに連れて行け!」
僕は連れて行かれる際に、暴れまわった。
暴言を吐いたり、男の腕に噛みついたり、蹴ったり。
今さっきので罪が重くなったのならば、もう何でもいいと思い行動に移した結果だ。
「あの子がっ……くれた手紙っ……!簡単に破るなァッ!!!!」
その時、男は一言こう呟いた。
「真梨亜…………」
僕にはそれが聞こえず、叫び続けた。
ついに、僕の番が来た。
”死刑”
頭の中で、この単語がこだます。
君がもういないならば、この世界に未練とかないけど。
僕は男が言った”あの部屋”に放り込まれた。
石の床に頭を打ち、血が出てきた。でも、関係ない。
この中に入れられた僕達は毒死するのだ。
毒が混ざったガスが窓さえない密室のこの部屋に入ってくる。
入れられたが最後、死ぬ。
周りを見渡すと、叫び続ける囚人達がおり、少数だが死んでる奴もいた。
その中に、懐かしのお隣さんがいた。
近づいてみると、息などしていなく、ハエがたかっていた。
あの子に会いたい。
ふと、思った。いや、「思った」程度ではなく、心が叫んでいるのだ。
会いたい
会いたい
会いたい
会いたい…………
あの子と過ごした日々は戻らない。戻る訳ない。
でも、あの子との思い出が走馬灯のように蘇る。
一つ一つ、君がくれた手紙……紙飛行機………光。
それが僕の、生きるすべになっていた。
抜いても抜いても抜けない。
闇の中に生える雑草のそば、
綺麗な一輪華。
生きていく世界は、真逆だった。
それでも、僕は必至に手を伸ばし続けた。
「もしここれが最後ならあの子と話しをさせて!させてくれぇぇ!!!」
狭く、暗く、空気も入らないこの部屋に切なくこの声は響く。
<ガスを、放出します>
途端に、薄紫のガスが放出され始めた。
「うわぁぁぁ!!!」「いやだぁぁぁ!!」「助けてくれぇぇぇ!!!」
そんな事を口々に、次々と人が倒れていく。
胸も、
息も、
全てが苦しくなる。
あぁ………せめて、
せめて、君の名前だけでも……
知りた………かっ………タ………
第7話 終わり
*作者息抜きすぺーす*
うん、こんちゃ。藍蝶です。
今までで一番文字数多いよ。1600文字超え。
あ、へボいのか←
ではでは。