二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ娘〜「さぁ、ひざまずきなさい!!」〜 ( No.109 )
- 日時: 2012/04/10 20:06
- 名前: 鏡猫 (ID: PCp3bZQ1)
第2話 青の国の王子
赤髪の女性が城の外へ出された後、リンは自室へ戻ろうとしたがふと誰かに名前をよばれ足を止める。
振り向くと、そこには青髪をした男性が笑顔で立っていた。
「カイト様!!」
リンは、思いっきり青髪の男性、カイトに抱きつく。
カイトは、この黄の国の海の先にある国、青の国という国の王子だ。
そして、リンの許婚でもある。だが、青の国側はそれを認めてはおらず結婚の話は保留となっている。
それもそのはずだ。リンは今14歳だが、カイトは20をもう過ぎている。
年が離れ過ぎているのだ。カイト本人もあまり好んでいない。
青の国にも黄の国の王女は乱暴者だと噂が流れている。そのせいもあるのだろう。
しかし、リン本人はまったく気付いておらずいつも通りにカイトと仲良くしていた。
「リン王女、もう子供じゃないのですから抱きつくのはやめた方がいいですよ」
「・・・分かりました」
リンはしぶしぶカイトから離れる。
「今日は、何用できたのですか?」
「許婚のことでちょっと話に来たんですよ」
「ついに、決めてくれたんですね!!」
「えぇ、では、私はこれで」
「はい!」
リンは、とても嬉しそうにしていた。
それはそうだろう。カイトが、許婚の事を認めてくれると思っているのだから。
何も知らされていないリンにとっていつも優しくしてくれるカイト。
これが、近いうちにカイト自身を傷つけようとは誰も思わないだろう。
その時、城にある振り子時計が3回音を鳴らす。
「あら、おやつの時間だわ」
リンは、すぐに自室に戻る。
そこにはすでにおやつを持った召使が立っていた。
「おやつのご準備をしに来ました」
「いつも通りね。でも今日は天気がいいから外で食べたいわ」
「承知いたしました」
それから外へ移動し、おやつを時間をかけて食べた。
しばらくの時間がたち、カイトがもう帰ろうとしているのを見かけて走って門の所まで走る。
「カイト様!もう帰るのですか?」
「あぁ、はいリン王女。私はこれから用事があるのです。すみません。またゆっくりできる時にお食事会でも開きましょう」
「はい!その時を楽しみにしています」
カイトは、そのまま後ろを振り変えずに帰っていく。
リンは、見送りをした大臣に聞いた。
「カイト様は、一体なんと答えたの?」
「あ、はい・・・。それが、少しいいずらいのですが・・・」
「何よ?はっきりいいなさいよ!」
「は、はい!王子様は、実は、許婚を拒みました・・・」
「え…。どうして!?・・・そうだわ。きっとカイト様をもてあそんでる下劣な女がいるんだわ!
それで、カイト様は・・・カイト様は・・・」
「お、王女様?」
「今すぐに、カイト様をもてあそんでる女を探しなさい。見つけたらただちに殺すのよ。」
「い、いえしかし・・・。」
「いいから探しなさい!!これは命令よ!!死にたいの?」
「は、はい!!今すぐに!!!」
そう命令された大臣はすぐに走って城の中へ入っていく。
リンは、今日この後、一日中ずっとイライラしていた。