二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 悪ノ娘〜「さぁ、ひざまずきなさい!!」〜 ( No.110 )
- 日時: 2012/04/10 20:53
- 名前: 鏡猫 (ID: PCp3bZQ1)
第3話 緑の国の終わり
次の日の朝、レンは帰ってきた。
「遅かったわね」
「あ、ハイ。予定とは少し遅れてしまって・・・」
「まぁいいわ。」
しばらくの沈黙が続く。どこか怒っているようなリンの様子にレンは尋ねた。
「あの・・・怒ってますか?」
「怒ってなんかないわよ!!」
あきらか怒ってるような口調でレンに叫ぶ。
「す、すみません!!」
レンもこれには、驚いたのかそれからあまり話さなくなった。
と、そこへ召使がやってきて、レンは少しほっとする。
でも、それも数秒のことだ。
「王女様。カイト王子様が恋をいだいている者が詳しくではありませんが判明いたしました。」
「いってみなさい」
「緑色の長い髪を2つ縛りで縛っていらっしゃる女性のようです。」
レンは、それを聞いてハッとなる。どこか落ち着きがなかった。
「緑の髪ということは緑の国の小娘ね。まだ身元は判明しないの?」
「それが、まだでして・・・」
「あぁ!もう!待ちきれないわ!!大臣を呼んできなさい!!」
「は、はいぃ!!」
急いで召使は大臣を呼びに行く。
その間にレンはリンにたずねる。
「失礼ですが王女様・・・一体なんの話をしていらっしゃるのですか?」
「そうね。レンは昨日いなかったものね。いいわ。特別に教えてあげる。」
そういって、全ての事をレンに話す。
レンはそれを聞いて段々顔が青ざめていくのが分かった。リンはそれを見逃さない。
「あら? レン。その小娘に心当たりでもあるのかしら?」
「え、えっと」
「リン王女様!私に何か用でしょうか?」
「そうね、大きい声ではいえないからこっちへもっと来て頂戴。」
「は、はぁ」
大臣がリンに近づくとリンは、大臣の耳に静かな声で言い放つ。
「緑の国を滅ぼしなさい。緑の女は一人残さず殺すのよ」
それでも近くにいたレンには聞こえてしまっていた。
すぐに大臣は、リンの部屋から出ていく。
「そっそん・・・っ!!!」
レンは、思わず声が出てしまったのを口で押さえる。
が、もう遅かった。リンにはもう感ずかれている。
「やっぱり知っているのね? レン」
「い、いえ。し、知りません」
「私に嘘をつくのね。でも、レンなら許してあげるわ」
そういいながらリンは、引き出しの方へ向かって歩き、何かを探す。
数十秒くらいしてから、レンの所に戻って来るリンの手には、細かくデザインされたナイフだ。
「王女様!?そのナイフは一体・・・?」
「分からないかしら?このナイフでその小娘を殺すのよ。知ってるんでしょ?その子の事を」
「そんなことできません!」
「レン!いい?これはお願いなんかじゃないわ。命令よ」
「う・・・。わ、分かりました・・・。」
レンは、ナイフを受け取り出掛けて行く。
王女はただ、不気味に笑っていた。
数時間がたち、3時の鐘がなる。
「あら、おやつの時間だわ。あ、でも今日はレンが担当だったわね。」
「すみません、おまたせしました。」
「あら、今日のおやつは何?」
「今日のおやつはブリオッシュでございます。」
一通り準備が終わり、リンは、レンが作ったブリオッシュを食べ始める。
「あの、お味はいかがでしょうか?」
「うん!おいしい!」
そういってリンは笑う。満面の笑みで