二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 悪ノ召使〜「君の笑顔を守るためならば」〜 ( No.115 )
日時: 2012/06/04 11:52
名前: 鏡猫 (ID: vDb5uiaj)

第1話 新しい召使

「レーン! 見てみて! とっても可愛く出来たでしょ!?」

王女の娘のリンは、草原に咲いているシロツメグサで花冠をつくり、片割れのレンにかぶせる。

「あ、すっごく似合ってるよ! 女の子みたい!」

「…女の子いうなよ!!」

「えぇ? どうして? 本当の事いっただけじゃん!」

レンは、かなり赤面している。

「あ、いたいた。リン様! 王女様がおよびですよ。」

「ハーイ! ちょっといってくるね、レン!」

「うん。」

レンは、リンがいなくなってさびしくなったのか下をうつむく。
すると、頭の上に載せていた花冠が、ずりおちレンの目の前に落ちる。

「……」

レンは、それを拾い上げ空にかざす。

「こんなのよく作れるよなぁ。」

そういってレンは、花冠をみながらそこらへんのシロツメグサを抜き真似してみようとしている。
しかし、ほどけてしまいなかなか作れない。力の加減を間違えて、分断した時もあった。
それを狙う1人の影が………






「レーン! なんかね、お母様呼んでないっていって……レン!! レン!!」

リンは、そこで横に倒れているレンの傍にかけよる。
レンのことをゆすったリンの手には、真赤な血がついていた。

「レン! どうしたの! 何があったの!?」

レンのまわりにあったシロツメクグサも赤に染まっている。

「リン様、どうしま……レン様!! 一体誰が…。リン様は、離れていてください!」

「でも! でも…!」

「大丈夫です。きっと。」

この城の使いのものであろう者がレンを持ち上げどこかへ連れ去ってゆく。
リンは、そこに落ちていたレンにあげた花冠を拾い上げ泣き叫ぶ。

「レン…………」






それから5年くらいたったある日のこと。
レンの命は、助ける事が出来なかった、という話が国中に伝わっていた。
リンの年齢は、10歳。
産んでくれた母も急な病で死に至り、父も産まれたときからいない。
ひとりぼっちな状態。ずっと遊びほうけていた。国民の金を使い。

「王女様、新しい召使がきております。」

「通せ。」

「はい。」

1人の召使は、入り口の扉をあける。
そこには、1人のリンとよく似た少年が立っている。

「レン…? レンなの!?」

「確かに名前は、レンですが、王女様とは一度もあったことがありません。すみません。人違いではないですか?」

「……っな! べ、別に間違ってなんかないわよ。」

「あ、そうでしたか。それは失礼いたしました。これからよろしくお願いします。リン王女様。」

レンと名乗った召使は、王女、リンに向けて笑う。
リンもそれにつられて笑った。