二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: おおかみは赤ずきんに恋をした〜これもひとつの物語〜 ( No.124 )
日時: 2012/08/26 10:50
名前: 鏡猫 (ID: SOGiHJ/a)

第1話 一匹狼

ある山奥で狼が遠吠えをする。
それに答えて何匹もの狼が遠吠えをする。
狼が仲間でそれぞれ連絡を取っているのだ。
今日の月は、満月。

ある木が他の場所よりなく広場っぽくなってる所に1匹と大勢の群がにらみ合っている。
その他に木の陰には大人の人間が1人。
だが、隠れているのも無駄。
狼は、人間より鼻がいい。
こんな近くに隠れていては、確実に見つかるのは当たり前だ。
それでもその人間は隠れて見守っていた。

『なぜ、お前は人間を庇う』

『この人間は、お前らが思っているような人間じゃない』

『おいっ聞いたか?今の』

『あぁ、聞いた聞いた。あの人間が俺達を殺さないと決めつけてやがる』

『それがおしばいだって気付かないのかね?』

『仕方ないさ、あいつは、群じゃないんだ。何も知らない』

『でも、あいつ群を断ったんだろ?』

『馬鹿だから』

狼は、知能が高い。
人間よりも優れているかもしれない。

『今すぐここから離れろ。ここは、俺の縄張りだ』

『その縄張りを奪いに来たんだよ。こっちも群が大きくなってきたんだ。言いたい事は分かるだろ』

「もうやめてっ!!」

『おぃ、何も出来ない人間が影から出て来たぞ、一体何する気だ』

『いいじゃん、せっかくだ、狩ろうぜ。人間の肉はうまい』

『せっかくの御馳走だ。先に人間をやっちまおう』

『やめろっ!!』

一斉に人間に襲いかかろうとしたところを一匹の狼が対峙する。

『おいおい、俺らとやり合うつもりか?』

『いいじゃんいいじゃん。おもしろそうだ』

そうときまれば今度の標的が人間から一匹狼へと変わる。

『お前らなんてこの俺だけで充分だ』

この場で始まる激闘。
人間は、わなわなとふるえあがり逃げ出した。

『(それでいい…それがいい…お前は、生きろ。あの子と一緒に)』

その人間が逃げだし、数十分たつとその一匹狼の傷が確実に増えている。
一方、群の方は、傷がついていなかった。
一匹狼の体力も減ってゆきついにはダウンした……