二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

リグレットメッセージ〜「この海にはおまじないがあるんだよ」〜 ( No.127 )
日時: 2012/09/24 21:21
名前: 鏡猫 (ID: FIlfPBYO)

第1話 おまじない

レンカと呼ばれた少女が海までたどり着くとポケットから羊皮紙を取り出す
その紙には、何か言葉が綴(つづ)られていた
なんて書いてあるのかまで分からないが、きっと叶えたいものがあるのだろう

この海にはあるおまじないがあるのだ
『願いを書いた羊皮紙を小瓶に入れて海に流せばいつの日か想いは実る』

羊皮紙を小瓶にいれてそれを両手で強く優しく包み込み顔に近づける
願いが叶うように
ちゃんとに願いが愛しき人の元へ届くように
目元に映るわ一粒の涙
それがすっと誰にも気づかれないように瓶の中にへと入っていく
いつまでもそう願いたたずむ
決心を決めたのか小瓶をそっと波の上にのせる
するとすぐにその小瓶をさらっていく
押し戻されてはまたさらっていく
レンカがはずっとその様子を見ていた

瓶がちゃんとに行き届くようにと願いながらずっとその小瓶を眺めていた
レンカは歌った。静かに優しい歌声で唄った
教会にいるレンカを助けてくれたシスター、ハクに教えてもらった子守唄を。

「レンカちゃん!休憩時間、もう終わりよ」

「はい」

はっと我に帰ったレンカ。
すぐに教会へと戻って、神に祈りを捧げる

何も考えていないはずなのに静かに涙を流す
誰もレンカの涙を見た人は誰ひとりといない。