二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: おおかみは赤ずきんに恋をした〜これもひとつの物語〜 ( No.128 )
日時: 2012/10/11 19:28
名前: 鏡猫 (ID: FIlfPBYO)

第4話 おおかみと赤ずきん


あれから、ずっとおばあちゃんの家にいくようになった
狩人の人に、いちいち止められるがリンは無視をして出掛ける

「今日もいる…あの狼さん」

リンの目に映るのは、半人間の狼の姿
いつもおばあちゃんの家の近くの巨木に座っている狼
きっとあちらも自分の事に気づいている。
なのに襲ってこない“彼”を見てリンは、少しずつ警戒が薄くなっていた
それと同時に彼には惹きつける何かがあった
彼を見る為に、毎日おばあちゃんの家にいくようになったと言ってもおかしくない
でも、リンは話しかけないし、近づきもしなかった
分かっていた。自分と彼が一緒にいる事は、彼と離れる事だ、という事を
だからあえて近づかなかった
今日も、横目でチラチラとその彼の姿を見ながらおばちゃんの家へと入っていく
リンが、半人間の狼を怖がらないのは理由がある
おばあちゃんから教わっていたからだ

「おばあちゃん!今日も来たよ!」

「最近、毎日きてくれるね。ありがとう」

「ううん。大丈夫だよ!」

「巨木に隠れてる狼さんの事が気になるのかい?」

「!? なんで分かったの!!」

「だって、毎日おばあちゃんの家に来るたびにその狼さんの話をしてるじゃないか」

「えへへ〜」

「でも、気おつけなさい。絶対に近づいてはいけないよ」

「分かってるよ」

おばあちゃんがいってるのはどっちの注意か、分からない

もしかしたら襲ってくるかも知れないから、の注意なのか
狩人に見つかって彼が殺されてしまうから、の注意なのか

もしくは、両方なのかも知れない

「本当に…リン達は昔話のあの物語に似ているねぇ…」

おばあちゃんがぼそっと呟く
リンは、違う事に意識していて、その呟きは聞こえていない

「2人は、どうなっちゃうのかねぇ……」

「? どうしたの。おばあちゃん。2人って誰の事?」

「いや、なんでもないよ。」

「そっか!ねぇ、また昔話を聞かせてよ!」

「いいよ。今日は、何にしようか」

おばあちゃんは、少し考えて語りだす
        昔の話を




“おおかみと赤ずきん”のお話を———