二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リンネ ボカロ小説 リク的なもの募集中 ( No.70 )
- 日時: 2011/10/18 22:33
- 名前: 猫科の犬 (ID: vGcQ1grn)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第1話 声
1人の高校生くらいの少女、ミクはある駅まで来ていた。
手首には、リストカットの後がある。自殺志願者かなんかだろうか?
「電車が参ります。白線から離れて下さい。」
そう、放送で流された。
ミクはそれが聞こえてなかったようで呆然と白線の内側に入っている。
ついに駅員に注意された。
「白線からお下がりください。困ります。最近自殺者が多くてね。君もその1人かい?
辞めた方がいいよ。」
ミクは何もいわず一歩後ろへ下がった。
駅員の言う言葉は、きつくはなかったが威圧感があったのだ。
そして、電車が目の前を通る。ちょうど扉の前で止まった。
ミクはその電車に入ることにした。
中には、あまり人はのっていなくて座る席はガラガラ空いていた。
だから一番近くの席に座った。
隣には猫背のおばあさんが座っている。
そのおばあさんは、ミクの手首を見て問いかける。
「貴方はどこへ向かうんだい?ここらも直に死んじまうよ。」
どうゆう意味かよくわからなかったが、ミクには分かったようでおばあさんに「そう。」といった。
ミクは特に帰るあてもなくいろんな所をさまよっていた。
何回か誰かに危ないといわれてもただごめんなさいといって去っていく。
自分に心がないようだ。
「(あ。舌噛んだ・・・。血の味がする・・・。)」
無意識に自分の舌を噛んでいる。
その血をどこにも捨てようがなくついにミクはそのまま飲み込んでしまった。
錆びた鉄の味が口内に広がっていくであろうに・・・。
「○○駅〜○○駅〜」
ミクはその駅で降りた。
隣にいたおばあさんもそこで降りてどこかへ去ってしまった。
ミクが後ろを振り返ると、そこにはもう電車はなかった。
もう出発してしまったのだろう。
どっちにしろ、過去には戻れないからミクは前へと進んだ。
だけどミクは少しもの欲しそうな顔をしていた。
まだ愛を求め続けている。そんな顔をしていた。愛に飢えた獣のようだった。
彼に捨てられた自分。何のために自分はここにいるんだろうと考えたことがないわけではないだろう。
「これから何をすればいいの?」
『ミク!!』
「っ!!」
一瞬だけ彼の声がした。
だけどそれは気のせいであって、本当にいったわけではない。
もう、ミクと名前を呼んでくれる人はいない。