二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *サイキック*僕達の力。イナイレ ( No.6 )
日時: 2011/04/23 00:35
名前: あかっち ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)




「珍しいよな!風丸が遅刻なんて」

「バカ。お前に言われたくないよ円堂」


休み時間。

風丸の机の周りには、二人の少年少女がいた。


一人は『円堂 守』

風丸と幼馴染の彼は、遅刻・脱走常習犯として、学校で有名。

近くにある、関係ない人の机に座ってしまっているのが心配な所だ。


もう一人は『咲乃 紅呂昴』

彼女は、特に二人と仲が良く、こうして一緒に話すことが多いのだ。

成績優秀、運動神経抜群の彼女。

一つだけ困った所は……


「ま、低レベルな円堂の頭に『遅刻すんな』って言っても無謀だろうけどね!」


毒舌&Sキャラだと言う事。

これで毎日キツイ事を言われている円堂に同情しよう。


「そうだよ、紅呂昴ちゃん!
 円堂君にそんな事言ってもダメなのは、紅呂昴ちゃんだって分かってるでしょ?」


紅呂昴の後ろから現れたのは、見た目は温厚そうだが、実は腹黒い『吹雪 士郎』

紅呂昴と吹雪。

この二人が組むと世界が破壊されそうなぐらい、真っ黒だと言う。


「吹雪、言いすぎだぞ」

「まあ円堂も、その遅刻癖を直せば何も言われないんだからな」


円堂をフォローしたのは、『豪炎寺 修也』

白く、逆立った髪型が特徴的。

円堂の脱走見張り役として活躍している、いわゆる苦労人という奴だ。


どちらの立場なのか分からないような発言をしたのは『鬼道 有人』

成績優秀で、いつも学校の仕事などを任されている彼だが、

先生の目が届かなくなると一変、よく愚痴をこぼしているのだ。


そして、彼らの中で、困惑した表情を浮かべるのが、『風丸 一郎太』

唯一、このグループでの一番まともな人物と言えるだろう。




「それにしても、円堂の言う通り、どうしたんだ?風丸」


鬼道が話を元に戻す。

あ。と呟き、風丸は言った。


「それがさ……昨日は眠たいのに眠れなかったんだよ……

    おまけに頭も痛かったし、どうしようも無いよなぁ……」


風丸は大きなあくびを一つし、眠そうに目をこする。




その瞬間、それを見ていた5人の目が変わった。


「か……風丸?」

「何だ、円堂……」


その後の5人の行動は素早かった。

紅呂昴は、風丸の目をこすった方の手を掴み、

他の4人は、まるで風丸を他の誰にも見せない、とでも思わせるように風丸を囲んだ。


「は?!どうしたんだ?!」

「ちょっと見せて!」


状況が掴めない風丸を無視し、紅呂昴は風丸の制服の袖を軽くまくった。

紅呂昴は風丸の手をじっと見つめ、呟いた。


「……マジか」


周りの4人も驚いたように目を見開いている。

その目線は全て、まだ紅呂昴が掴んだままの風丸の手に注がれていた。


「------?」

「……なあ風丸。昨日、何かあったか?」


頭にクエスチョンマークが浮かんでいる風丸に、円堂が話しかけた。


「はぁ?」

「例えば、何か触ったとか」


意味が分からない様子なので、吹雪がフォローを入れる。


「うーん……て、どうしてそんな事聞くんだ?」

「……気づいてないのか?」

「どうやら、そうらしい」


「ほら、これ!」


5人が驚いた理由はこれにあるようだ。

風丸の手。

細かく言えば手の甲。

そこに、黒く、アザのような不思議な模様があった。