二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: spring wars! 【サマーウォーズ】 ( No.14 )
- 日時: 2011/05/22 20:11
- 名前: 銀狼 ◆DHnYhbdLwQ (ID: h9rhVioE)
一の陣・弐 話
「ご友人?」
「そう、友人っていうか……なんか紹介、っていうことみたいなの」
先に着いて上田の地でのんびりとしていた夏希先輩に、急に告げられた話。
「侘助おじさんが友人を連れてくるなんてねー……なんか初めてだなあ……」
「確かにそんな感じしないですね」
「でしょ?」
侘助さんがご友人を連れてくるらしい。アメリカの研究機関で会った人らしい、かなり偉いとかなんとか。
てかそんな凄い人が此処に来るとか。
「超ヤバくないすか!!???」
「うーん……あちらの方は別にそんな気を使わなくたっていいって言ってるらしいし、結構若いんだって」
「若いんですか……」
来るのは後三日後らしい。なんだか会うのがとても楽しみだ。やっぱOZの管理塔の人とか…?
それともアメリカの研究機関の一番凄い人…?
「だけど」
「……え?」
「これから、忙しくなるわよ!」
スクッと夏希先輩は立ち上がると台所へ向かった。
「おばあちゃんの、三回忌。近いからね」
あと四か月ぐらいあるのに…?いや、この家は三回忌とか凄そうだ、なんか予想。てか予想的中しそうだ。
あ、そうだ。線香立てておこう。
コーンと鐘を鳴らして、あの朝顔のような笑顔の写った栄さんの写真が飾ってある仏壇の目の前に僕は居た。
線香を立てると、あの夏の思い出が蘇りそうな気がした。
凄く逞しい、今は亡き陣内家十六代目当主。
こんな人がご先祖様だったらとても誇らしいだろうな。
「そうだ、しみじみしてないで荷物部屋に片づけておかないと」
廊下に置きっぱなしだった荷物を思い出し、健二は慌てて立とうとするとガツンと嫌な音を立て何もない畳に転んだ。
無様だ、無様すぎる。
「うっはぁ……何もないところで転ぶなんて……いっ、でで……」
ただ転んだのか、はたまた何かの前触れか。
べしっと畳の上で転んでしまった恥は戻らない。
「うへ、僕の部屋は……ど、何処だっけ?」
この広すぎる上田の武家屋敷では。
健二には異郷にすぎなかった。
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