二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

よん:まいにち ( No.9 )
日時: 2011/07/28 04:20
名前: あいな ◆vMllyNSxcs (ID: mNBn7X7Y)

因幡さんにあんなことを言われて、一週間。
素直に毎日通っていたら、事務所のことがなんとなくわかってきた。

「お、耶麻音。今日も来たのか」
「はい、こんにちは」
「今日は特にやることもないし、ゆっくりしてっていいぞ」
「“今日は”って…いつもないじゃないですか」

因幡さんは、毎日こうやって声をかけてくれる。
それから、私の髪はお気に入りらしい。
油断していると、すぐ触ろうとしてくる。

「耶麻音ちゃん」
「何? 圭くん」
「はい、昨日頼まれてたの」

そう言って圭くんが差し出したのは、毛がないネコの写真。
圭くんが飼っている猫で、ルナちゃんというらしい。
彼はネコが大好きらしく、偶然見えた私のネコ待受に、過剰反応していた。(そのときに引いてしまったのは内緒だ、)

「…これがスフィンクス?」
「うん。あーやっぱりルナかわいいなー」

…こんなふうに、ルナちゃんにはデレデレである。

「圭くんうざい」
「相変わらずひどいね!?」

そして、圭くんがデレデレモードになると、だいたいゆーちゃんのツッコミが入る。

「ゆーちゃん、言い過ぎ」
「…耶麻音ちゃん、圭くんをかばうの?」
「違うってば、いつも言ってるでしょ」

私が止めて、少しムッとするゆーちゃん。
これで男の子だって言うんだから、どうなってるんだろうねこの世界は。

「あー…平和だな」

遠くから、因幡さんのそんな声が聞こえた。
…探偵事務所は、今日も平和です。