二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 大乱闘の裏 ( No.14 )
- 日時: 2011/05/06 16:52
- 名前: 無人 (ID: jKkloFvs)
マリオがボールを持った。
赤と白のボールだ。
「……玩具?」
考えに考えた末に出した答えであった。
と不意にマリオの後ろからフォックスが声を掛けた。
「うおっ!?」
いきなりの不意打ちに肩を上げ手が緩んだのかボールを落としてしまった。
カービィが飛びつくが短い足、短い手では届くはずがなかった。
ボールが地面に触れた。
機械的な音、眩い光と同時にボールが真っ二つに裂ける。
その中から黄色のネズミが現れた。
「ピカ〜……やっと着いたピカ!」
予想外の出来事に呆気にとられる六人のファイター達。
これは奇跡なのか怪我の功名と言うのか、はたまたまぐれなのか。
それは自分の見方次第だった。
「はは……予想外すぎる……で、名前は?」
落ち着きを取り戻したドンキーが尋ねた。
「ピカ? 僕の名前はピカチュウだピカ!」
元気よく答えたピカチュウの影でリンクが、なる程ポケモンか……と呟いていた。
「後一人! ……て奴らは?」
マリオが辺りを見渡す。
フォックスとリンクの姿は確認できた。
残りの四人がいない。
と、上から階段を下る音とその度にギシと木の音がしたと思うとカービィが興奮しながらやって来た。
「凄いよみんな! 二階には遊び部屋に倉庫、風呂、練習室、射撃室もあるよ! いや〜本当何でもありだよこの建物!」
上から廊下を駆ける音がする。
どうやら残りのみんなは上で暴れているようだ。
「丁度いい。倉庫にみんなの荷物を入れて来よう。」
マリオの提案に文句は無かった。
そして野生児軍団を呼び寄せ荷物を整理し直していった。
その時ドンキーが決定的な発言をした。
その内容は
そういや女性の参加者いるのか?
玄関のチャイム音と女性らしき声がしたと同時だった。
リンクとヨッシーを除く者達の目の色が変わった。
その瞬間、倉庫には一人と一匹しかいなくなった。
下から怒鳴り声、うめき声、壁に叩きつける音、悲鳴、殴り倒す音。
そして断末魔の声を最後に一瞬にして全ての音が止んだ。
不安になった二名は様子を見に行った。
階段。
カービィが仰向けに倒れていた。
リンクは急いで居間で休ませようとした。
居間。
マリオの体がテーブルで叩きつけられたように地面にめり込んでいた。
泣きながらヨッシーが大慌てで助け出した。
そして片隅に真っ二つに裂けているテーブルがあった。
玄関へ続く廊下。
フォックスが頭から壁に突き刺さっていた。
見事な事に壁に対してフォックスの体は直角に突き刺さっている。
リンクとヨッシーは顔を見合わせた。
赤く染まった廊下を歩きそしてついに
玄関。
ドンキーとピカチュウが天井に突き刺さっていた。
どちらかが生き残る筈なのにこの奇妙な現象が起きた。
天井に二人突き刺さっている。
流石に自ら頭を突っ込む馬鹿はいないだろう。
なら原因はと考えつつリンクが扉を開けた。
機械に身を包まれた人物がいた。
「………どちら様ですか?」
リンクが顔を玄関から覗かせながら尋ねる。
「あら、私? 私はサムスって言うの宜しくね。」
機械に包まれた手が握手を求めた。
それに安心したのかリンクは姿を表し握手を返した。
そして尋ねた。
「ところでこの天井に二人突き刺さっている事について何か関わりませんでしたか?」
その答えはとんでもない答えだった。
「あら、あの二人なら私が仕留めたわよ。」
リンクが固まった。
だがそれに構わずサムスが会話を続けた。
「あの二人と来たら私とあった瞬間、なんだこのヘンテコな機械人間?
と言いやがったの。少しイラッとしたから少し懲らしめてやったって訳。まぁあなた達は欲のなさそうな人間だから大丈夫でしょうけど。」
サムスが笑った。
リンクにとってそれは破壊神の笑い声に聞こえたかもしれない。
リンクは無言で振り返った。
そこには二人を天井から下ろそうと必死になり泣きかけながら飛んでいたヨッシーの姿がそこにあった………
リンクとヨッシーは学んだ。
コイツだけは怒らせてはいけないと。
だがそれは心の中に留めて置いた。
声に出したら二人のような末路になる事を知っているから。
声に出したら己の命は無いと知っているから。
〜一話 終〜