二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】イナズマイレブン 参照500&返信100突破!! ( No.113 )
- 日時: 2011/06/04 23:04
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: ごめんなさい、書き方変えました。あと、作者はこのコンビ好きでs((
⑤集イ
「貴方……」
「ヘヘッ。隊長、遅くなりました!」
炎を刀にまとわせたまま喋る。【飛火炎愁】、それが彼女の名前だった。
周りにいた魔物たちは、突然の登場に少し戸惑いながら、二、三歩引いた。
「待ってたわよ。全く、私達の隊長は少し諦めが早いようね……?」
「大丈夫です! 俺が”奴等”ぶっ飛ばしちゃいますから!」
「未鈴さーん!!」
遠くからつららが手を振っている。男の子は近くにいた仲間の隊員に引き渡した様だ。
それを見た過去はどう? とでも言いたげに眉を上げた。
「貴方に何があったか知ってるけど、今はその『特性』を出しちゃいけないんじゃ無い?」
「……? 隊長、どうかしたんですか?」
「…あ、炎愁。さっさと倒しちゃってくれる? いい加減戒里探しに発たないと色々面倒くさいのよね」
「分かりました!」
頭に疑問符を浮かべながらも、炎愁は自分の武器を構えた。
オーラが変わるのを感じたのか、魔物はまた、じりじりと歩み寄る。
それを見た炎愁はニヤッっと笑った。
「俺の技は……」
再び、刀に炎が宿った。
「近くにいてくれた方がやりやすいんだッ!
<火炎神>!!」
炎が、魔物の体を斬る。
魔物は声にならない悲鳴を上げて、塵となった。
「わあ、炎愁君凄い!」
炎愁の刀が、次々に魔物を切り裂いていくのをつららは見た。
実を言うと、未鈴たちの反対側にいるつららにも、魔物が迫っていた。
彼女の後ろは壁(崩れ去った、少し前まで家だった所)。挟まれている。
しかし彼女は、少しも慌てることなく、それどころか自分より他人の戦いを観戦してしまっている。
「……年下に負ける訳にはいかないかぁ。いいや、あたしも戦お」
つららは、自分の扇子を相手に向けた。さっきとは違い、目は真剣だ。
「<雪冷空羽>」
雪のように白い、聖なる羽が飛んだ。羽は、的確に相手を突いた。
前後から攻められた魔物は呆気なく倒される。
やがてつららは、炎愁の姿が見えるところまで辿り着いた。
「炎愁君!」
「え、つらら?」
まさかここで会うとは思わなかったのか、炎愁は目を丸くした。
つららは笑いかけた。
その間にも、魔物は歩み、二人を囲んだ。
「あ、囲まれちゃった」
「呑気だな、お前」
「……さ! 早く倒しちゃお!」
「……へいへい」
炎と雪が舞う。
魔物は、消え去った。
「……俺、『君』じゃないんだけど」