二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 返信200突破!!眼科出発(( ( No.205 )
日時: 2011/07/13 20:19
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: 今回は短めです

②第四話<桜>





「風丸……」
「何だ、円堂」
「……暑い」
「知るか。俺に聞くな」


 舞台は、所変わって南の国へ——……
円堂達一行は、桜ノ国に到着、一日の時を過ぎた頃だった。
 洋風なダルヌ国とは違い、昔の雰囲気を残した和風の街並みだった。


「桜ノ国って、洋風って聞いた覚えが……」
「何でも、今の代の王が、趣味で変えたらしいよ」
「……とんだ無茶ぶりだな」
「気候とかも関係してると思うね」


 ダルヌは、一年中温暖な気候だ。
しかし、桜ノ国はそれを簡単に超える、とても暑い場所だ。
慣れていない異国の者が、体調不良で倒れる事も少なくないそうで。


「…………」
「円堂、ブっ倒れたらこっちが困るんだからね」
「俺に暑いのは向いてない!」
「開き直らないで、馬鹿」
 
「未来、大丈夫か?」
「……多分。ありがとね、豪炎寺」


 鬼道は立ち止まり、晴天の空を見上げた。


「(何してるんだ、姉さん)」


 考えていたのは、未鈴の事。
すぐに情報、送るからね! と、張り切っていた姉だが、返事が来ない。
自分でも短気だと思うが、戒里の事を考えると、どうしても気になってしまう。


「(何かあったのか? ……いや、考えすぎだ)」


 物思いにふけっていた鬼道だったが、かがりの声で我に返った。


「皆! あれ見て!」


 かがりが指を指したところに、今まで見てきた家の造りとは、あきらかに違う建物があった。
 二階建てのようだ。一階の窓は大きく開け放され、白の扉が付いている。
その建物は、木で出来た茶色の看板が。黒の文字で『春夏秋冬』と書かれていた。






文字の下には、『〜異国の方の為の休憩所〜』と。






 
 それぞれ、目を合わせると、その店に近づき恐る恐るその扉を開いた。
客の来店を示す鈴の音が鳴ると、すぐさま振り向き、四人の声が重なった。











「「「「いらっしゃいませ。休憩所、春夏秋冬へようこそ!」」」」