二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.218 )
日時: 2011/07/13 20:10
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: オリキャラ応募スタァァァット!!((

②第五話<春夏秋冬にて>







「一、二、三……七? 七名様、ご案内しまーす!」


 入った直後大きな声を上げた、一人。
藍の髪に、赤渕眼鏡を乗っけた一人の少女だった。


「こちらの席にどうぞー!」


 店の中は、木で出来た大きめのテーブルと椅子が沢山並んでいた。
少女はその内の一つ、扉から見て左側。三番目の机を示した。
 ガタガタと音を立てながら、テーブルとテーブルをくっつけ合わせたもう一人の少女は、ピンクのヘアピンを付けていた。


「よし! これで八人、全員が同じところに座れるかな?」


 ヘアピンの少女は、笑いながら言った。


「……どうする?」
「うーん、とにかく座ろうぜ」


 戸惑いはしたものの、今までの疲れもあり、全員が席に着いた。
座った所を見計らったかのように、奥からお盆を持った者が現れた。


「外は暑かったでしょう。お茶をどうぞ」


 手早く置いたコップの中身には、見慣れない色をした水が入っていた。
警戒しながら、未来が問う。


「……これは?」
「“ムギチャ”という物よ。異国から取り寄せた美味しいお茶なの」


 微笑みながら答えた彼女は、ウェーブがかかった茶色の髪をしていた。


「ムギチャ……?」
「毒なんて入ってないわ。脱水症状で倒れる前に早く飲みなさい」


 上から目線の少女を一睨みしながらも、未来は素直にムギチャを飲んだ。


「……普通だな」
「それで十分よ」


 置いていたお盆を持ち、奥に入ろうとしたその瞬間。
どこからか、ボン! といった爆発音が聞こえてきた。


「ア……アキさん?! オーブン、爆発しちゃいました……」
「えぇ?! どうやったら普通に使ってたオーブンが爆発するの?! フユカちゃん!」
「わ、分かりません……」


 奥から聞こえた気弱そうな声。一瞬だけ見えた髪は薄紫色だった。
 緊急事態なのか、アキと呼ばれたさっきのヘアピンの少女が奥の部屋へと入っていった。


「……ナツミ先輩。これで何回目でしたっけ?」
「さあ……情報力抜群のハルナさんが覚えてないのなら、私も覚えてないわね。まあ、十回は超えてるのだろうけど」


「……にぎやかだな、ここ」
「ああ……客が入ってないのに、びっくりだな」
「失礼な。客はここにいるぞ」
「あー……そうか……って、え?」


 端に座っていた円堂の後ろで聞こえた低い声。
振り向くと、褐色色の肌をした、一人の少年が隣のテーブルに座っていた。


「お前らよりも先客なのに、気づかないとは無礼な奴らだな」
「……お前……風丸と一緒だな!」


 満面の笑みで言った円堂。
言われた風丸は、自分で自分を指差した。


「……俺?」
「ハア?」
「ああ! 女っぽい顔立t「円堂!」


 無礼極まりない発言をした円堂。
声には出さないが、風丸と相手の彼以外、全員が思ったことを、見事に円堂が代弁してくれた。


「お前……俺が気にしてる事を……俺は【佐久間次郎】! 正真正銘の男だ!!」
「(気にはしてるのか)」
「ぶっ殺してやる……!」
「あー! 悪い、うちの円堂、こんな奴だから! 許してやってくれ!」


 風丸は円堂の前に立ち、襲いかかろうとする佐久間を手で押し返す。
 佐久間は顔をしかめ、風丸の顔ギリギリまで近づく。
腰に差していた剣を持ち、本当にぶっ殺しそうな勢いだ。


「お前はどうなんだよ、アァ?」
「いや、ちょっとばかりは気にしてるけど……さ」


 頭を掻きながら小声で言った風丸。


「……でも、俺達のリーダーを殺させる訳にはいかないんだよ!」
「んだとぉ?!」



「はいはい! お二人とも、ストップです!」