二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.219 )
- 日時: 2011/07/13 20:16
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: オリキャラ応募スタァァァット!!((
②第六話<扉>
「はいはい! お二人とも、ストップです!」
風丸と佐久間、二人同時に声がした横側を振り向いた。
そこでは、ハルナと呼ばれた赤渕眼鏡の少女が、仁王立ちで立っていた。
笑顔ではいるものの、全身のオーラが真っ黒だという事だという事を隠しきれていない状態となっている。
「「……あ゛」」
「お客様、店内での喧嘩はお止めください。決闘なら、お外でどうぞ! あ、熱中症で倒れてもいいならの話ですが」
一瞬、ハルナの瞳が光ったように見えたのは気のせいだと信じたい。
二人は気迫負けし、大人しく武器をしまい座った。
「それで結構です」
もう一度にっこり笑うと、後ろで見ているナツミの元へと戻ったハルナ。
それを見届けると、佐久間は呆れた様に溜め息を付き、肩をすくめた。
「あー……怖い怖い。ハルナも相変わらずだなぁ」
「……お前、常連客か?」
「ああ。王様の元へ居たんじゃ、気が滅入っちまうしな。逃げて来るんだよ、いつも」
「王様? 王族仕えか?」
「いーや。多分お前等と同じ、国を護る隊員だろうよ」
その時、店の扉が勢いよく開いた。
緑の瞳をした一人の少女が、買い物袋を抱え全速力で中に入ってきた。
「あら、心葉ちゃん! 買出し、ありがとうね」
「あ、アキさん。足りない物は全てあると思います。
……って、それよりも! 何か男の人がこの店に猛ダッシュで向かってくるような“気が”するんですよ〜」
アキに買い物袋を手渡しながら、走ってきた勢いを緩めずにナツミに口早に話し始めた。
ナツミの首が四十五度近く傾いた。
「“気が”するのかしら? 向かって“来た”のでは無くて?」
「そうですよ」
自信満々に答える心葉。
ここからは小声の会話だ。
「なあ、佐久間……だっけ? この店のスタッフは個性豊かだな」
「ああ。どうやったらこの五人が出会えたか、不思議だよ」
「腹減っt「なあ、男の人って誰だと思う?」
「この国の住民だという事は確かだな」
そして、またまた。
今度も扉が勢いよく開いた。但し、さっきの倍以上の強さで。
蹴破られたのだろうと、誰もが予測できる。
その力に耐えることが出来ず、支えていた金具が外れ、音を立てて扉が吹っ飛んだ。
吹っ飛んだ扉は、さっきの『オーブン爆発事件』が終わったのか、奥から出てきていたフユカの方へと向かった。
フユカはそれを見切っていたように、エプロンを翻して逆に思いっきり蹴り返した。
空を飛ぶ扉は、蹴破った犯人に向けて突っ込んだ。
避ける事が出来ず、扉は犯人の顔面に直撃した。
犯人は、扉ものとも地面に倒れこんだ。
「……すげぇ」
ここまで、一瞬の出来事だったが、全ての事を店の中にいる誰もがしっかりと見ていた。
犯人(?)は、直撃した額をさすり、涙目になりながらも、緑のポニーテールを揺らしながらゆっくりと立ち上がった。
そして、一言。
「……っつー……ラ、ライディ様ぁ〜? こちらにいらっしゃいますかぁ?」