二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.230 )
日時: 2011/07/13 22:41
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: オリキャラ応募スタァァァット!!((



②第七話<緑>











「ゲッ……」


 立ち上がった彼の姿を見た佐久間は、奇妙な声を出した。
服のフードを深く被り、コソコソし始めた。


「何やってんだよ」
「シーッ!」


 人差し指を出し、口の前に当てる。


「はぁ……?」
「簡単だね。あの緑ポニーテールに見られたく無いんでしょ」


 円堂の前にいるかがりが口を開いた。
その言葉を聞いた佐久間は、小さな子のようにぶんぶんと首を縦に振る。


「あの人と服装が一緒でしょ? 佐久間さんはさっき『国を護る隊員』って言ったから、あの人も仲間なんじゃないかなーって」
「——そして」


 すっかりムギチャを飲み干した未来が後を続けた。


「あの緑は誰かを探しているらしい。この時間、こんな暑い中走り回ってるなら仕事の時間帯に決まってる。
 まあ……コイツは仕事を怠っている。もっと言うなら、『サボっている』だ」
「ったく……仕事ならサボっちゃ駄目だぞ!」
「「「「「「いつも遅刻してくるお前に言われたくない」」」」」」


 一喝、それも六倍。隊長は萎れた。
 一方で、涙目の緑ポニーテールは、ナツミに説教されていた。


「——まったく、貴方は桜ノ国の隊長でしょ?! 国を護る役目なのに、店を破壊してどうするのよっ!」
「——も、申し訳無いって……つい、急いでて……」
「“つい”とは何よ! 貴方ってばいつも——」


 ナツミの説教は十分ほど終わらなかった。
途中、心葉が止めようとしたが、「心葉さん、貴方は黙ってて!」の一言により、素直に引き下がった。


「(怖ェ……)」


 やっと終わったとき、彼は違う意味でグッタリしていた。
ナツミは、大声を出してすっきりしたのか、晴れ晴れとした顔で奥に引っ込んだ。


「はあ……疲れたぁ……あ、同じ席、失礼しますね」


 そう声を掛けたのは佐久間の所。
佐久間がいた場所は二人席のため、前が空いていたのだ。
 気の無い返事をするも、佐久間は承諾した。
隣の七人は、いつバレるのか気になる様子。
しかし、ポニーテールは背筋を伸ばして座り、前の佐久間など気にも留めないようだった。


「……気がつかないのか?」

 円堂がそう、呟いた瞬間。
笑顔になって佐久間に一言。


「そういえば……俺達が必死でライディ様を探してる時、君は此処でのんびりしてたのかい? 佐久間」
「…………」


 バレバレだった様だ。