二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.243 )
- 日時: 2011/07/16 22:01
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: オリキャラ応募スタァァァット!!((
②第六話<双子>
目の前の二人は、青い髪。
顔立ちがそっくりで、双子の様だった。
佐久間が言っていた“双子”とは、彼らの事だろうか。
「……? お前達は?」
「あー! アレン、いたよ! リュウジ兄達!」
「遅いでしょ、何してたの?」
右にいる少女は手を腰に当て、左にいる少年は腕組みをしている。
口調が柔らかく、まだ幼い子供らしい。
しかし、佐久間と緑川は二人を見て慌てていた。
わざと双子を見ないようにそれぞれ目を逸らしている。
「……ん? どうしたの、二人して」
「ねえねえ、ライディ様見つかった?」
同じ動きでずかずかと詰め寄ってくる双子。
右側の少女が佐久間の方に来て、子供らしい笑顔を見せた。
「ねえ、あたしの話聞いてるの? 佐久間おにーちゃん♪」
「アル! 気持ち悪いから止めろ!!」
「だったらさっさとライディ様探せこのサボリ馬鹿野郎がああぁぁっ!!」
「分かったって!」
物凄い形相で睨まれた佐久間は、強引に店から追い立てられた。
「リュウジ兄、こんなところで何してたの? 佐久兄探しに行ったんじゃ無かったの?」
「いや、探しに行ったんだけどさ、佐久間がサボリしてたから注意してただけで……」
「でもさ、此処でゆっくりしてた事には変わりないよね、リュウジ兄」
「……探しに行ってきます」
こちらは穏やかではあるものの、周りの温度が少し下がっているようだ。
緑川も、佐久間同様、追い立てられた。
「もう、兄達どうして仕事しないかなぁ?」
「平気だよ、アル。何かあったら怜奈姉に言っちゃえば良いんだよ」
「そっか!」
双子は笑い合う。
その時、何処からか声がした。
「ああーっ?! 天井壊れてますよ?!」
叫んだのはハルナ。
目を見開き、天井を指差す。
天井には、上手い具合に人二人程が通れる位の大きさの穴があった。
木でできた屋根は、一部分が崩れ落ちていた。
「……これは貴方達かしら? 直して頂戴」
ナツミの声は怒りに震えていた。
自分の店を二回も破壊されたのだから仕方ない。
「……アレンがやったんだからね。アレンが直してよ」
「えぇ?! アルがやれって言うからやったんだよ! アルが直せば?」
「じゃあ、一緒に直す」
「……うん」
「君達が……さっき佐久間が話してた“双子”か?」
「佐久兄が? 多分そうじゃ無いかな」
店から出た佐久間とリュウジが座っていた所に、双子が座る。
「それで……君達は」
「あたし、【アルリナ・トウリシュ】! 皆からは“アル”って呼ばれてるよ」
「僕は【アレン・トウリシュ】。アルの弟」
二人は、桜ノ国フェニックス戦闘隊員、保護隊員に分かれていると言う。
隊員中では、最年少チームらしく。
「本当はもう一人いるんだけど、城で待機中なんだ」
「ライディ様探しに、さっき出てったリュウジ兄と佐久兄と、後二人が探してる」
双子は交互に、テンポ良く話す。
まるで相手が何を話すか分かっているように。
「『脱走姫』の話は、この辺りでも有名です」
ハルナが口を挟む。こちらの話に聞き入ってしまっているらしい。
「まあ、呼び方は『王』ですけど、私達とそれ程年は変わりません。
結構馴染み深いです。私達市民とも、良く話をしてくれるし」
「そうそう。ライディ様が王座についてから、国の状態も良くなってる」
「まだ争いは耐えませんが、その内無くなると信じる事が出来ます」
どうやら、この国の王は、かなり評価が高く、慕われている様だ。
双子はそんな話を聞いて、微笑んだ。
「ライディ様はね、自分の事より、他人の事をとっても大事にしてるんだ!」
「僕達は、そんな王様だから国を守れる」
さっきとは違い、店全体が和やかになった。
「アル! アレン! いるか?」
「いや、梓。“水鹿”が二人の魔法感知したんだから、いない訳無いでしょ」
「お前、どんだけ自分の魔法頼ってるんだy「黙って女顔」男顔のお前には言われたくねぇっ!!」
「まあまあ、二人とも。ここは早く入ろう?」
「「……はい。“ ”様」」
扉が開いた。但し、さっきとは違いゆっくりと。
そこには、三人の人がいた。
綺麗な緑色の髪をした者と、金色の美しい髪をした者。
そして、後ろにいたのは、橙の髪色をした、そして前にいる二人とは明らかに違う服装。
双子は、その姿を見た途端、目を輝かせた。
「ライディ様っ!!」