二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.259 )
日時: 2011/07/22 14:43
名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
参照: 過去偽造注意。向日葵ゴメン><;


③第三話<空>










「奴ら……前のと一緒でしょ?」
「ああ。あの時は逃げられたから……今度こそ!」


 二人は自分のの頭上を飛ぶ三人を見据えた。
上の者は、全員真っ黒なフードを被っているので、顔が見えない。誰なのか、特定は難しそうだ。
 空中に浮く一人が、梓達に気がついた。
“奴等”が、二人のほうへと向きを変えた。


「お前等! 何しに来た!」
「……何しに来た、だと?」


 梓が大声を上げた。
前にいた一人が、梓を睨んだ、様に感じた憐。


「アンタ達、この前広場メチャクチャに壊しただろ?!」
「……忘れたとは言わせないから。そして——その紋章もね」


 胸の辺りに赤黒く光る紋章。
連は恨みがましい目でそれを見る。


「フン。お前達とお喋りする時間は無いんだよ、残念ながらね。……行くよ」


 薄ら笑い、その場所を去ろうとする。
一人は素直について行くが、もう一人はまだ梓達を見ていた。
 いや、“梓達の方”を見ていた。


「——! 待ちなさい!」
「“月歌 -三日月-”ッ!」


 梓は半ば叫びに近い声で魔法を発動した。
彼の剣から放たれた光の衝撃波は、確実に相手を狙っていた。
 ——しかし。


「“________”」


 残っていた者は、何か呟いた。あまりにも小さかったので、下に居る梓と憐には聞き取れなかった。
目の前に突如現れた氷の壁によって、梓の技は跳ね返された。
跳ね返された衝撃波は、発動した本人に向かって落ちていく。


「なっ……! マジかよ?!」
「驚いてる場合?! 梓、ちょっとは考えてよね!」


 連は、素早い動きで梓の前に立った。


「“水乱舞”! 『水鹿』、アレを止めて!」


 憐の剣から現れた“鹿の形をした水”が、落ちてくる衝撃波に向かって飛んだ。
二つの魔法は、ぶつかり合い、一方が消え去った。

 水鹿は、連の前に帰ってくると、彼女の周りをグルグルと回った。


「ありがと、水鹿」


 連は、鹿の頭の部分を撫でた。と言っても、水なので通り抜けてしまうが。


「助かったぜ。ありがとな、水鹿」


 梓も、鹿を撫でた。


「私にはお礼言わないのね」
「お前は何もやってないからn「その内ぶっ殺す」あー怖い怖い」

















 一方で。


「何やってるんだい? 今は時間が無いという事ぐらい、お前も分かるだろう?」
「申し訳ありません。ただ少し気になったもので」
「……何が気になったんだい」
「ええ。実は——」


 さっき、氷の壁を創りだした者が、リーダー格であろう、その者に耳打ちをした。
聞かされたリーダーは、へえ、と声を漏らす。


「……珍しいねぇ。お前……決別、付けたいかい?」
「——! 宜しいのですか」
「こんな楽しい事は初めてだ。お前だって、付けたいだろう? __」


 その言葉を聞いた__は、口裂け女の様に口角を上げた。


「——勿論です」


 瞳は、緋色に染まっていた。















「え——」
「……? 深緑、どうしたんだ」


 店の窓から、梓が技を出した瞬間を見ていた円堂達。
氷の壁が出現した瞬間、深緑は目を見開いた。


「今の技——でも、そんな筈無い。あの子は——」


 一人、うわ言を言う深緑。完全に混乱している様だ。
かがりが近づき、肩を揺する。


「どうしたの、深緑? ……顔色悪いよ」


 フードを被る相手を、ずっと目で追っていた豪炎寺。
彼が、口を開いた。


「……! 奴ら、フード取ったぞ」


 その声に、全員が同じ所を見る。
一人を除き、顔が見えるようになった。
 一人は、金髪が目立つ女性。
もう一人は、空のような、透き通るような水色の髪の少女。
しかし、その瞳は似つかわしくない、燃えるような緋色。
 深緑は、その姿を見て、蒼白になった。

















「深緑?!」










































「かがり……私——私と炎愁……。大変な事しちゃったかも……」