二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.268 )
- 日時: 2011/07/28 23:15
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: すみません、コメ返し明日やります
③第五話<人格>
「あれ〜? しーちゃんは居るのに、炎愁が居ないよね。この前の襲撃に怖くなって、逃げちゃったのかな?」
「炎愁は逃げたんじゃ無い。私達の国で待ってる。
……あれ、どうして襲撃の事、風華が知ってるの?」
深緑のもっともな問いに、風華は一瞬だけ、顔を曇らせた。
「やだなぁ、どうしてって……フウ達が、魔物に『襲え』って命令したんだもん!」
まるで動じなかった深緑。まるでその答えを予想していた様に。
しかし、それが“真実”となり、少しだけ心を痛めた。
深緑は自身の武器——爪を、嘲笑う風華に向けた。
「……貴方は変わった。何もかもね」
「誰のせいだと思ってる? しーちゃん」
「私のせいだよ、勿論……分かってる。けどさ……」
その途端、口調が変わった。
瞳は黒と緑になり、表情は完全に怒りに染まっている。
「関係の無い人襲って、何が楽しい? 俺には理解不能だ」
“深緑”から放たれる殺気に、風華は一歩引いた。
そして、その様子を後ろから見ていた梓と憐。二人も、驚いてその光景を見つめる。
「本当はこんな事したく無かったんだけどなぁ……俺が、お前を倒す。国を守る為に!」
爪を空で切る。
それが元となり、かまいたちの様な、目に見えない鋭い刃を作り出した。
「“双魔刃 -レジストクロー-”!!」
無数の風の刃が、風華を襲う。
だが、少しも慌てず、手を前に突き出した。
「“氷静魔法 -アイスメイク-”」
風の刃が突き刺さった。
風華本人ではなく、風華が出した氷の壁に。
「——!」
「……確かこれ、しーちゃんが教えてくれた魔法だったっけ?
フウね、しーちゃんの裏人格と戦ってみたかったんだよ……ッ!」
「あの二人……何か関係でもあるのか?」
風丸が呟く。
それに答えたのはかがりだった。
「あの二人……と、炎愁。幼馴染だよ」
かがりは、ノートパソコンの形をした、それよりももっと小さい物を、片手に話した。
その言葉に、全員が反応した。
「幼馴染?!」
誰が言ったのか分からない。一瞬の出来事だった。
何故なら、その声が言い終わる前に、店『春夏秋冬』に風が吹き荒れたからだ。
言っておくが、どこの窓も開いていない状態だ。
店の奥から、驚いた様子の店員が次々と現れた。
「これは……?!」
フユカが珍しく大声を上げた。
「失礼。あたし等は客だよ」
皆には見覚えがあった。先程、風華と一緒に居た、金髪の女だ。
そして鬼道は、その喋り方と、金髪、服装に別の見覚えがあった。
「——! 貴方……ッ!」
かがりも気づいたようだ。手に持っていた物をしまい、警戒を始めた。
「……ん? 姉さんに聞いた人が何人かいるねぇ」
女と鬼道、風丸、かがりは立ち上がり、睨み合いを始めた。
周りの者は、その様子に戸惑うものの、女は危険人物という事が分かったのか、こちらも立ち上がった。
「……お前は何者だ?」
「あたしかい? あたしは【シルキ・ルワーザ】さ。あんた等が知っているのは、あたしの姉さんだね」