二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.276 )
- 日時: 2011/07/31 17:10
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
③第六話<妹>
「ルワーザ……? クルキの、妹?」
鬼道は思う。
——確かに、クルキとそっくりだ。顔立ちも、服装も。
だが、“何か”が違う。何故か知らないが、何となく分かる。
「姉さんは『奴らは強い。油断するな』と、言っていたが……」
一旦言葉を切り、シルキは周りを見渡す。
突然、顔に薄笑いを浮かべる。
「所詮子供じゃないか。こいつら、本当に国守れるのかァ?」
「——!」
円堂が眉を下げた。
いや、彼に限らず、ほぼ全員だが。
「アイツ……! 私が倒s「待てっ、かがり!」
鬼道が制す。
既に、円堂が前に出ていたのだ。
「お前……“所詮子供』と言ったな?」
「ああ、言ったが」
「見くびってもらっては困る。俺達の示しがつかなくなるからな」
豪炎寺も円堂の隣に来た。
二人の迫力に押されたのか、シルキは下げていた腕をピクッと動かす。
だが、すぐに嘲笑う表情になり、こう言った。
「フーン……あたしと戦えと?」
「そうだ」
「残念ながら用事があるんでね。あたしの代わりにコイツを置いていくよ」
いつの間にか、シルキの後ろに人影があった。
真っ黒なフードを被り、やけに背が高い。
「んじゃな、頼んだよ」
フードは小さく頷いた。
シルキは軽々と宙返りをし、フードを飛び越すと店の外へと行った。
「待てっ!!」
風丸が追いかけようとする。
しかしそこに、フードの敵が立ち塞がる。
手を広げ、完全に通らせない状態だ。
風丸は舌打ちし、刀をフードに向けた。
「お前っ、そこを退け!」
しかし、フードは一言も喋らない。
ただ手を広げ、一歩も動こうとしない。
「……少しは喋ったらどうなんだ!」
刀を相手に向けて振り下ろした。
いや、それだけではなく、縦や横に動かし、斬ろうとする。
相手はギリギリで後ろに下がり、その攻撃を避けた。
だが、自身の体は攻撃に当たらずとも、自身の着る真っ黒なフードには、風丸の攻撃が当たった。
ズタズタに破れ、フードとしての価値は一瞬にして無くなった。
相手は不要になったフードを脱ぎ捨てた。
風丸は相手の招待を見て、動きを止めた。
「——ッ?! あいつ……人間じゃ無いのか?!」
顔は牛の様で真っ黒。瞳は逆三角形で、顔より黒い漆黒の色。
体つきも明らかに人間の物とは思えなかった。
そう。風丸が斬ろうとした相手は、魔物だったのだ。
「シルキって奴だったか? 奴、魔物達を手中に収めてるらしいね」
「未来、どうしてそんなに落ち着いていられるの?」
魔物は体制を整えると、目の前に居た風丸に腕を振るった。
突然の事で風丸は対処が出来ず、まともに攻撃を食らってしまう。
「風丸!」
「——ッ、大丈夫だ……」
対処が出来ないと言っても、“何もかも”出来ないわけでは無い。
彼は一瞬で体を少しだけ動かし、ダメージを最小限にしたのだ。
しかし、最小限にしてもまともに当たってしまった風丸は、すぐに立ち上がる事は出来ない。
魔物はそこを狙い、もう一度風丸に攻撃をしようとする。
魔物が走り出そうとする。
「“葉桜”ッ!!」
どこからか鋭く尖った葉が飛び、魔物の体に突き刺さった。
後ろを見ると、心葉が手の平より少し大きめの手鏡を持ち、立っていた。
「戦うのは結構です。ですが、この店に害を出さない程度にお願いしますね?」
心葉がにっこりと笑った。
それを見て未来は、未だうろたえ、苦しそうに体を縮める魔物の背中辺りを“軽く”蹴った。
魔物は吹っ飛び、開いていた店のドアから飛び出た。その後、何かにぶつかる音がし、何も聞こえなくなった。
「ほら、私達も出るよ」
「ありがとうございます♪」
「「「「…………」」」」