二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 イナズマイレブン ( No.6 )
- 日時: 2011/07/16 13:25
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
②隊員タチノ朝
「はぁっ!」
「……四十五秒。なかなかいいじゃないか」
午前八時。
早いのか遅いのか分からない時刻だが、とりあえず朝にしておこう。
ここはダルヌ国城内の訓練場。そこに、四人の少年達がいた。
彼らだけ、最初の声からすると、もちろん特訓中だろう。
「よし。行くぞ、豪炎寺!」
「いつでも」
どうやら二人ずつ、分かれているらしい。当然といえば当然だが。
では、彼らを少し見ていようか?
「四十五秒って…二秒しか変わってないじゃないか」
「たったそれだけとしても、上がった事に変わりは無い。いいことだろ?」
こちらは、どうやら個人練習をしているらしい。
腰に手を当て、少しがっかりしたような顔で呟く少年の周りには…”わら”で出来ている人形が沢山転がっていた。
それも、大人サイズ。
その横で見ている少年は、手にタンマウォッチのような物を持っていた。
私達が知っているものと、ほぼ変わりは無いだろう。
「しっかし…鬼道のそれ、何だっけ。”操人形”? それ、凄いよな」
「そうか? しかし、あまり実戦では役に立たなそうだ。これは生あるものにはつかえないからな」
「…練習用の技って事か」
「ああ」
鬼道は、何も持っていない手で転がっているわら人形の一つを指差した。
すると、それまでそこに倒れていた人形が、スクッと立ち上がったのだ。
「さすがぁ」
風丸が呟いた。
もう一つの組に移動しよう。
「円堂、技は?」
「無し! 実力で勝負だ!」
こちらは実戦形式らしい。二人の少年が対峙していた。
一人…円堂は、今にも駆け出しそうな体制で。
もう一人…豪炎寺は目をつぶり、その場に立っていた。
「いいぞ」
「じゃあ……」
「「スタート」」
”ト”が言い終わるか言い終わらないかで、円堂は走り出した。
豪炎寺は動かない。神経を集中させているのだろうか。
円堂は、走ったスピードを落とさぬまま、相手の首めがけて蹴りを放った。
当たる……! と、思った瞬間、豪炎寺の手はしっかりと円堂の足を掴んだ。
そのまま投げ飛ばそうとしたが、円堂はつかまれた瞬間に豪炎寺の肩を踏み、後方に跳んでいた。
豪炎寺が、動いた。
ほぼ全速力で走り、円堂の顔面に拳を突き出した。
円堂は下にかわし豪炎寺の足を払った。
バランスを崩した豪炎寺は、背中から床に叩きつけられる。
しかし、少しの間も見せず跳ね起き、逆に円堂の足を払った。
……と、やったりやられたりの攻防が続いていた。
周りから見れば、これは訓練ではなく本番に見えるだろう。
「…そろそろ止めた方がいいか?」
「そうしよう」
鬼道、風丸が二人の元へ近づき、声を張り上げた。
「はいはい! 二人ストップ!」
「いい加減にしないと訓練場崩壊するぞ!」
ピタッと。
ビデオの一時停止のように、二人は止まった。
…円堂の足は豪炎寺の首へ向かい、豪炎寺の拳は円堂のみぞおちに向かったまま。
相打ち、の辺りだろうか。