二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】イナズマイレブン 参照400突破! ( No.99 )
- 日時: 2011/07/16 15:18
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: ルカさんの曲でいろいろあったみたいだね。
④第八話
「“雷神・一輝”」
円堂が放った『撃』は、雷の形となり、翼竜へ。
攻撃は当たった。だが、何事も無かった様に咆哮を上げる。
「……あれ」
「ねえ、逆に闘争心上げてどうするんだよ」
「でも、ダメージはあるはずだ」
突然、翼竜は向きを変えて円堂達の方に突っ込んで来た。
そして……炎を吹いた。
それぞれ回避をして免れたが、今いた場所は火の海。とても着地のしようが無くなってしまった。
未来は、跳んだ力をそのまま、火の熱さをものともせず蹴りを入れた。
翼竜にも急所はある物。呻きを上げて倒れた。
「蹴りだけで……」
「円堂、急所狙いな。急所を」
「お、おう! てか戻って来るの速ッ」
いつの間にか未来は円堂の背後にいた。
しかし、翼竜もすでに立ち上がっていた。
自分の体よりも大きい羽を広げ、バサバサと音を上げて飛び上がった。
羽からは凄まじい強風が起こり、周りの民家は崩壊寸前。
「……茜に交渉しようかな。『もっと家を丈夫に作れ』って」
「結構丈夫だったと思うんだが」
「おーい、来たぞー」
竜は爪を光らせ、斬りつけた。
「“炎乱舞”」
豪炎寺の手から溢れ出た炎は、鎖のように翼竜を包み込んだ。
すぐさま、円堂が剣を振り下ろす。
背中の辺り。翼竜にとってはここも急所となる。
「“雷牙斬言”!!」
上空から落ち、そのスピードで攻撃する技。
この攻撃に耐えた敵はいない。言わば最終奥義。
翼竜も、この一撃で倒せる……はずだった。
「なッ……?!」
”あり得ない事”が起きた。
円堂の剣は、ガッチリと止められていた。『翼竜』の手に。
しかし、本来あるべき所にある手は、豪炎寺の技によって封じ込められている。
では、何故?
”背中”から”腕”が生えていた。
三本目となる腕が翼竜の背中から生え、剣を掴んだのだ。
生憎、豪炎寺の場所からは見えないが、円堂、未来にはしっかり見えている。
自分の剣を掴まれてしまった円堂は、手を離す事が出来ないままでいた。
すなわち、翼竜の背中に乗ってしまったと言う事である。
下から見ていた未来は叫んだ。
「円堂! 何が起こった?!」
「わ……分からない! 何か、手が……!」
完全にパニックになっている円堂。
未来は助け(?)に行こうと、上へ飛ぼうとした。
「クッ……。もう駄目だ!」
豪炎寺が叫んだ。
その瞬間、翼竜を縛っていた炎の鎖が弾け飛んだ。
途端、激しく動き始めた翼竜。
“炎乱舞”の効果が切れてしまったのだ。
元々、あまり長く使えないこの技。気力と体力を沢山使ってしまう。
未来は近づこうにも近づけない。
「豪炎寺!」
諦め、肩で激しく息をする豪炎寺に走りよった。
「大丈夫か?」
「……ああ。それよりも、円堂、は?」
「円堂はあそこに……——!」
未来が目にしたもの。
翼竜の長い尾が、円堂に迫っている所だった。
「ッ! 逃げろ円堂!!」
風を切る音がした。
その、本当に少し前、緑の閃光が円堂を掠めた。
「助かった……」
「危なかったねー。円堂」
円堂が地に立っていた。
その横で笑っているのは、綺麗な緑の髪を持つ、一人の少女だった。