二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナイレ 未来を知る少女『世界編』【オリキャラ募集中!】 ( No.58 )
日時: 2011/05/23 16:46
名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)

第12話 「絶句」


「……」

氷歌はエドガーの声を聞いて地面を見るのを止め、エドガーをじっと見始めた。凛とした氷歌の目がエドガーに向けられている。

「なんで……ここに氷歌が……」

エドガーは絶句していた。驚いたその顔が変わることはなく、目を丸くしたまま氷歌を見つめている。
二人の顔は対照的だ。凛々しい顔と、驚いた顔。その二つの顔が向かい、お互いを見つめていた。


「イナズマジャパンの一員だから。それだけだよ。」

氷歌はエドガーからの質問に淡々と答えた。凛々しい目、冷静な声のせいか氷歌の言動からは何処か冷たい感じがする。

「イナズマジャパンの一員……?」

エドガーは氷歌の言った言葉を繰り返した。信じられないと言う言い方で、驚いた表情のままで。
どうしてここまで驚くのかと言う疑問が円堂たちに浮かんだ。

「何か問題がある?まあ、信じられないよね。あなたが知ってる私はあれだもんね。」

氷歌は面白そうに笑った。その笑顔はさっきの凛々しい顔からは考えられないほど暖かい笑顔がエドガーに向けられていた。

その笑顔がエドガーに向けられていた頃、円堂たちに新たな疑問が浮かんだ。
あれとは何かと言う疑問だ。エドガーが氷歌を知っているということはさっきからの氷歌の言動で分かる。しかし、あれとはなんだと皆が思っていた。氷歌とエドガーを除いて。

「知り合いなのか?」

そんな疑問があるせいか、玲名が氷歌にそう聞いた。
氷歌はエドガーの方を見たまま

「昔のね。何年前だっけ……」

と言った。


「3年……ぶりだ。」

答えたのはエドガーだった。まだ少し驚いてはいるようだが少し冷静な元のエドガーに戻りつつある。


「そうだっけ。まあ、あの時の私と今の私は全く違うよ。」

そう言って微笑む氷歌。エドガーに向けられたその微笑みは何処か冷たい。
いろいろな感情が混ざり合ったような、その笑顔は明らかな作り笑いだった。気付いているのは鬼道だけのようだ。