二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 緋弾のアリア Cランクの武偵 *オリキャラ募集* ( No.10 )
日時: 2011/05/12 06:49
名前: 淡雪 ◆1xA84L3LKk (ID: CA3ig4y.)

〜第1話〜

廃れたビルに、ヤクザ達が居た。
数人の男達が酒を呑み、麻雀なんかをやっている。
このヤクザ達は、上から頼まれた依頼をこなすだけの言わば便利屋。
普段は暇なのだ。

入り口が、音をたてて開いた。

「おう、買って来たかァ?」

悪そうな40代位の男が、顔を上げた。
顔が赤くなっているので、相当酒を呑んだのだろう。

「はい。確認して下さい。」

入って来たのは、16才くらいの若い男。
声変わりしているらしく、低い声だった。
二つぶら下げたビニールの袋を開け、酒やツマミなどを取り出した。

「おう、気がきくじゃねぇか。」

「ありがとうございます。」

その後、麻雀は終わったらしく、男達は席を立った。

何時も、こうやって街に出て、また帰って来て麻雀をやる。
その繰り返しだった。

「おう、行ってくるぜ。」

男は、16くらいの男に声をかけた。

「いってらっしゃいませ……なーんてね♪」

前半は低い声。
後は、綺麗な女の声だった。

男達はたじろぐ。

「お前…!!誰だ!!」

「私は、武偵高1年、諜報科の者でぇーす♪」

元男、いや。“香枝”は、S&Wを既に片手に持っている。
銀に彩った銃が、怪しく光った。

男は、目を見開いた。

「ば…馬鹿言え!!お前…いや。あいつは、3年以上の古株だぞ!?」

「私は、昨日その彼を倒し、変装して、ここに入りましたぁ♪」

香枝は、既に防弾制服だった。
男達は、次々に銃や刀を抜く。

「……まあいい。所で、お前に何が出来るよ。か弱い女が、殺し屋の俺ら10人に、何が出来る!?」

男は、声を張り上げた。
香枝は、「?」とあどけない顔をしている。

「それは、武偵一人に、銃の扱いも知らないヒヨッ子が勝てるの?」

香枝の目の色が変わる。
男達を睨み据えた。

それが、逆に男の怒りをヒートアップさせた。

「上等だ小娘!!」

男が振り上げたのは、刀。
刀を威嚇なのか、壁に叩きつけた。

=武偵9条=を心に留めつつ、香枝は銃の引き金を引いた。


銃弾を、腕にかすめる。


丁度いい所に当たり、刀は甘く持っていたせいか、からん、と音を立てて落ちた。

男達は最初、何が起きていたのか分からなかった。
そして、分かった瞬間に、自分達の頭領が倒された事に気づいたのだ。

香枝は誰も襲ってこないのを見て、隠していたマイクに叫ぶ。

「強行逮捕!!」

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犯人の身柄を渡し、香枝は武偵高に戻っていた。

何気なく、香枝は手帳の一番裏を見た。

ホルダーのようになっているそこには、写真が一枚あった。

    =最初で最後の家族写真=

椅子にお母さんが座り、横に立っているのが、香枝と月華。後ろにお父さんが絶っている。

香枝は小4、月華は小2に撮った写真。

でも、二人はもう居ない。
理由は知っている。











目の前で殺されたから。










“恨みを抱いていた”、親戚の手によって。











だから私は武偵になった。
月華も同じ。



大切な者を、守れるようになりたかったかから…