二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 緋弾のアリア Cランクの武偵 *第二章 敵募集* ( No.110 )
- 日時: 2011/06/29 20:40
- 名前: 淡雪 ◆1xA84L3LKk (ID: CA3ig4y.)
- 参照: 改行苦手なんで、見にくいです(汗)誰か教えて!!
〜第9話 No.〜
香枝が仮面男から距離をとると、二人が下がって来た音がした。
霧依が、H&Kリロードする音も交えつつ、香枝を見た。
「我を忘れるな。いくら取り戻したくたって、無我夢中に走っていては、何にもならない。」
香枝は、大きく深呼吸した。
S&Wは表面が少し削れ、茶色くなっていた。
「分かってますよ。」
すると、さっきまでの火薬、硝煙の匂いに混じった
火薬なのに、微かな、何かが違う匂い。
「……?」
香枝はその時、不思議な音も聞いた。
カツ、カカ、カンッ
DEを、銃口を床に当てている音。
或斗が短縮モールスで伝えて来る。
『フセテ』
解読するや否や、香枝は不審に、後ろを向く。
霧依が持っていたのは、
真っ黒な武偵弾。
霧依が躊躇わず、それを壁へと投げつけた。
マントを着た男が居る方向へ。
ドォォォッ!!
武偵弾は炸裂した。
炸裂弾は発砲しなくても、投げれば威力を発揮する。
巻き起こった爆風は、
“霧依からの方向”だけでは無かった。
「こんな感じで良かったのかな。」
崩れたのは、奥だけでは無かった。
入り口も、崩れかけていた。
「焔君!」
レミントンを片手に持ち、弾倉を抜いている。
明らかに、月華のレミントンだった。
「どうして月華のレミントンを…?」
焔は、レミントンに弾倉を戻し、もう片方でステアーを抜く。
霧依もH&Kを構え直し、或斗も立ち上がる。
「月華は、レミントンの最終弾に武偵弾が入っていると言っていた。只、何の弾かは分からなかったがな。」
香枝も立ち上がり、S&Wを構える。
そして、後ろに焔、前に香枝と、挟み撃ち状態になっている仮面の男を見る。
仮面のせいで表情は分からないが、
ワルサーが、僅かに、震えていた。
「それを、さっき回復した通信で知ったんだ。外に居るのは僕だけだからね
。
こ れ
レミントンを探して、起爆させるように霧依さんがね。」
壁が崩れ始め、入り口と奥の壁が崩れ、塞がる。
マントの男は身軽によけ、何も臆していない様子だった。
そのきつい眼差しは、変わらない。
右目は、その長い髪に隠れて見えない。
香枝も、全員が戦闘体制になってから、響く声で言った。
「貴方達を器物損害及び営業妨害で逮捕するわ。」
冷静に、告げた。
静かな、宣戦布告だった。
『覚悟しなさい。』
意味が分かったのか否か。
男二人は、銃を構える。
仮面の男は、
ワルサーを、空へ向ける。
「お前らが相手にしているのは、
『グラビティコア』だ。」
ガンッッッ!!!
鋭い音が耳を貫いた。
それは、誰が発砲した音でも無かった。
全員が、目を丸くした。
「こんな弱っちいのに手こずって恥ずかしくないの?No.2。」
少し高い声。
見れば、崩れた壁ーーもはや廃材なのだがーーをピンヒールで思いっきり突いた音だった。
その途端、仮面男……『No.2』と呼ばれた男が、硬直した。
「つけてきたのか。No.3。」
「あら人聞きの悪い。No.0からの緊急会議を知らせてあげたんじゃない。」
さっきの衝撃で、煙が上がり、
「来なさいNo.3。貴方は帰りなさい。群上椿。貴方には新しい仕事を回してあげるわ。
パーティ
あら。お茶会はお開きよ。お帰りになって?」
ーカッッー
投げられた、サイコロ。
「……!!」
光と煙に掻き消されたのは
ただ、
ただ、ただ。
なすすべなく、連れていかれる
月華の姿だった。