二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 緋弾のアリア Cランクの武偵 *参照500突破!!* ( No.111 )
- 日時: 2011/07/04 15:45
- 名前: 淡雪 ◆1xA84L3LKk (ID: CA3ig4y.)
- 参照: 駄文過ぎて死にそう
〜第10話 紅い栞〜
急に来た女、No.3。
リナの声を持ち、仮面を被った、No.2。
霧依、或斗と戦っていた、群上椿。
全員が、散り散りに去って行く。
香枝は駆け出した。
仮面男、No.2の方へ。
「……待っ………て」
掠れた声で、言う。
男は、少し振り返った。
「何で月華を連れて行くの!?何で……!無垢で、少し狙撃の腕があって!普通に友達と手紙交換したり……普通の……子なのに……ッ!
何で皆!月華だけを連れて行くの!?」
血走らせた目で、叫んだ。
香枝は、太股に手を当て、拳銃がある筈のそこから、ナイフを取り出す。
隠してあった、銀に輝くナイフ。
No.2が驚くが、両手にお姫様抱っこで月華を抱えているせいで、手は動かせない。
怒り狂った刃を受け止めたのは、No.3と言われた女だった。
そのピンヒールで、ナイフを受け止めた。
足から上がる煙で、よく見えなかったが、
狡猾な表情で、笑っていた。
「嫌ね。まだあの頃のままの貴方も。
力を知らない人々も。」
すると、入り口から、耳をつんざく音が鳴り響いた。
霧依が叫ぶ。
「一旦退くぞ!撤収しろ!!」
最善の判断だったんだろう。
一人、二人、走る音が聞こえる。
「香枝さん、早く。」
焔に促されるが、香枝は動かない。
「嫌っ。」
また、失うなんて嫌なの
ぷっ、と尚もヒールでナイフを受け止めているNo.3が笑う。
「ばぁーか」
女は、右手を香枝の太股へ探ると、S&Wを抜き出す。
ガンッッ
S&W独特の、重い発砲音。
真っ赤な鮮血が飛び散った。
脇腹に、命中させて来たのだ。
膝から、崩れ落ちて行く香枝。
「もうお開き。そう言った筈よ。」
霞む視界で、手から滑り落ちるナイフと、自分の血。
笑った女と、眠った月華。
必死に伸ばした、自分の手ーーー
それが、全て暗い目の前へと、消えて言った。
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神様。
私は、何もかもを失いました。
月華も奪うんですか?
お父さんもお母さんも失って、
月華は、必死に守って来たのに。
何でですか?
私には、何が足りないのですか?
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心拍数を伝える、機械が鳴っている。
深く、息を吸って吐くと、段々と体の感覚が戻って来た。
そっと、目を開ける。
「香枝さん。」
横から声が聴こえた。
或斗が、至って冷静な顔で、見ていた。
「或斗……」
苦しげに息を吐いた。
「此処は……?私はどうしたの……?」
或斗が武偵手帳を渡して来た。
名前は、【結野月華】
「ここは、武偵病院です。貴方は随分、危険な状態にありましたが一命を取り留めました。あれから二日経っています。
これは、月華さんの落としていった手帳です。鑑定科から取り戻しました。」
或斗はそう言うと、部屋を去った。
気づいたが、此処は個人部屋だ。
他には、誰も居ない。
渡された手帳を、何気なく開いた。
シールや、必要事項でページが埋まっている。
笑ったのと共に、泣いていた。
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「よく集まってくれた。」
変声機で、男か女か、わからないNo.0の声。
広い円情の広間に、全員が背中を会わせるように座り、周りは仕切られている。
「珍しいですね。貴方が外れの時期に会議を開くなんて。」
少し、幼い声。
ふ、と笑いを溢す。
No.0が、席を立つ音が聞こえた。
「この結社に、やっと『紅き姫』が“帰って”来たのだ。お前達は、これから忙しくなってもらうからな。」
すると、No.それぞれに支配人が入って行く。
赤い薔薇が書かれた、手紙だ。
「何だよ、これ。」
No.3が、少し苛ついた声を出した。
「お前らには、これから、手紙の人物を警戒し……殺してもいい。」
次々に紙が開かれ、席を立ち始める。
『指令』を出したら会議は終わりなのだ。
全員が席を立ち、静かになった部屋には、側近の『支配人』と、No.0が椅子に座ったままだった。
「本当に、始めるのですね。」
支配人は、No.0の隣に立っていた。
「ええ。こんなに人材が揃っていて、始めないなんて損よ。」
変声機は外し、地の声が明らかになる。
支配人は、少し笑う。
「そうですね。」
『この作戦は、絶対に成功させなければならないの』