二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 緋弾のアリア Cランクの武偵 *オリキャラ募集* ( No.20 )
- 日時: 2011/05/27 21:29
- 名前: 淡雪 ◆1xA84L3LKk (ID: CA3ig4y.)
〜第3話 いつもと同じ道〜
当の本人、焔はあまり驚いてなさそうだったが、香枝は…
気がつくと、月華の肩を掴みーーちなみに香枝の握力は平均よりかなり高いーーギリリ、ともの凄い力で掴んでいた。
「月華、物事は考えて言おうよ。」
上からの本来穏やかな目線は、大魔王でも退けられそうなくらい睨んだ。
月華は、臆する事なく睨み返す。
「=人は見た目で決めてはいけない=。お母さんからそう言われたもんね!」
睨んでいる香枝の手には、拳銃が触れている。
月華がこれ以上変な事を言ったら抜くつもりだろう。
姉妹の喧嘩とは恐ろしいもので、発展すると、この場合、銃弾の雨が振り、多数の犠牲者が出る。
それくらい怖いのだ。姉妹の喧嘩と言う物は。
「まあ、落ち着いて聞いてくれるかな。香枝さん。」
割り込んだ第三者は、とりあえず少し距離を置き、冷静沈着な声で言った。
香枝は月華から手を離し、正座して座った。
「何ですか?貴方もご不満ですか?この事について。」
香枝の言葉を聞いて、間髪入れずに言った。
「むしろ逆だよ。僕は戦いたくてしょうがない。」
香枝は、驚いてその拳銃を見る。
ステアーS9-A1。
9mm
国の標準弾が入る、所謂武偵向きの拳銃。
入り組んだ改造をしているらしく、3点バースト、フルオートも可能そうだ。
普通、装備科や通信科など、戦いの前線に出ない人は、拳銃をただ「校則だから所持しているだけ」で、ほぼ使わない。
月華は焔が“私側に来た”と言う事で、自信が明らかについている。
「焔君は強襲科とかの方が友達多いの。結構腕前もいいし、格闘技なんかも少しやってるから、強襲科Aランクと同じくらいの凄さを持ってるのよ!」
香枝は、月華を無視し焔に近づく。
「本当に、信用、出来ますか?」
ドクンーーと心臓が一つ、高く鳴った。
息が苦しくなる。
“本当に、本当に貴方は私を裏切りませんか?”
「力不足かもしれないけど、出来る限り役に立つよ。」
また、冷静な声。
香枝の感情熱を、冷ますような声だった。
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香枝は少し呆然としながら…でもどこかに小さな希望を抱きながら…
ファミレスでヤケになっていた。
香枝は意外と大食いで、香枝の周りにはーー
ステーキからグラタン、オムライスとオニオンスープなどーー
主食と言う主食を食べ尽くし、
さらにパフェなど10品目を食べーー
今、早食いの“巨大イチゴパフェ”を食っついる。
「(いつもいつも、月華は一人で物事をぜんっーーぶ決めちゃって!!もう!今度パフェに毒仕込んでやるからぁっ!!)」
手持ち金を半分程使って全てのメニューを食い尽くし、完食の商品券などを貰い、ファミレスを出た。
歩き始めて数分、近くのスーパーで買い出しを済ませ、女子寮に戻っていた。
辺りは暗かったが、車の通りが多かった。
ザサァッ
風に煽られ、木の葉が揺れる。
辺りはやけに静かになり、落ち着かなくて。
そんな風に思ってる自分も恥ずかしくて。
ふと、携帯が鳴り、メールの受信音が鳴る。
知らないメールアドレスから来ている。
=件名:ディアナパーティー
ディアナパーティーが開催されます。
つきましては、貴方様にもお知らせしたい事がございます=
今回の依頼者からのメールらしく、前置きは飛ばし、後ろ辺りを見た。
=今回の犯罪集団は、一人の武偵を雇っといると噂されております。
詳細は不明ですが、お気をつけください=
武偵。
まさか。
驚くと共に、気持ちが不安へと一気に変わる。
ただの、Cランクの武偵が、もしAランクのーー例えば強襲科などの生徒だとしたら。
また吹いた風が、現実世界へと気持ちを戻して、香枝は不安を抱えつつ、女子寮へ向かった。
その時すでに、悲劇の曲が始まっていたことも知らずに。