二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 緋弾のアリア Cランクの武偵 *オリキャラ募集* ( No.41 )
- 日時: 2011/05/29 13:30
- 名前: 淡雪 ◆1xA84L3LKk (ID: CA3ig4y.)
- 参照: キャラ……崩れ寸前 琴葉ごめん!((orz 次に英嗣出すぜ!
〜第4話 銀の追跡者〜
焔の事から一夜明け、学校へ向かう。
月華は、一般教科の宿題が終わってないとの事で、朝一で学校へ行った。
でも月華は弁当を忘れていて、香枝も同じく朝一で向かう事になってしまった。
携帯の着信音が鳴る。
=おべんとわすれた!
スナイプの6階に居るから来て!
つきか=
宿題はどうした。
とにかく、狙撃科に居る事が分かったので、足早に狙撃棟へ向かっていた。
ふと、目の前に武偵高の制服を着たーーその子には心当たりがあってーー同じ信号で止まったので、声をかけた。
「こんにちは。月華と同じ科目の子よね?」
その子は、美しい銀の髪をなびかせながら振り向いた。
その子は少し香枝の顔を見てから、メモ帳に何か書き始めた。
=狙撃科・強襲科の紬音 或斗。或斗でいいよ。=
或斗、と名乗ったその少女は、その書いたメモ帳の紙を破り、また何か書き始めた。
=名前は?=
「言い忘れてたね。私は結野香枝です。科目は、CVRです。」
=そうですか。それでは失礼します。=
或斗は、変わった青信号を見て、メモ帳をしまうと、横断歩道を渡って行ってしまった。
香枝は、その後を追いかけた。
「あ、待って!」
「……」
また、銀の髪がなびく。
「狙撃棟ってどこか教えてくれないかな?月華がお弁当忘れちゃってさ。」
或斗は、さっき破った紙の裏に、何か書いて渡した。
=いいですよ。付いて来て下さい。=
或斗は、また横断歩道を歩き始めた。
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或斗の少し後ろに香枝が居て、武偵高へと近づいていった。
「或斗は、月華の知り合い?」
=月華さんとは、単に同じ科と言うだけです。=
或斗は、メモを渡す。
「そっか。」
そうして、暫く話(?)をしていると、狙撃棟に着いた。
=ここですよ。=
「うん。ありがとう。」
それじゃあ、と言って去ろうとした香枝の制服を掴んだ。
或斗が。
ぎゅっ、と掴むその手は、何かの決意がこもっていたようだった。
「私が、筆談するなんて、こうやって喋れるのに、筆談するなんておかしいと思いませんでした?」
綺麗な声だった。
一瞬、痛みに顔をしかめたような表情も見せたが、また香枝を見上げた。
香枝は、そっと或斗の髪を撫でる。
「ううん。全然思ってないよ。筆談するより、喋った方が、ずっと可愛いよ。」
「……ありがとう」
或斗は、それだけを言うと、狙撃棟から去って行った。
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放課後
香枝は、CVRから帰る所だった。
S&Wをホルスターにしまい、バックを持った。
ザアッ、と風が吹いた。
そして、目の前に銀の髪が見えた。
「或斗。」
ドキッとしたようにも見えたが、或斗は振り向く。
メモ帳を渡して。
=一緒に帰りませんか。=
月華は情報科へ、今度の事件の事を調べに行った。
今日、学校から何か通知が来て、最近武偵高を辞めた武偵がうろついているらしいのだ。
だから、今日は誰かと一緒じゃないと帰れない。
香枝も、誰かと帰ろうかと思っていたので、幸いだった。
すると、ポツリ、ポツリ、と雨が降り始めた。
或斗は傘を持っていたが、香枝は、傘を持っていなかった。
「大丈夫ですか?風邪ひきますよ。」
「ううん。大丈……夫……」
香枝の語尾が弱まって、気づいた。
ーー言霊が、発動しているーー
香枝の顔は赤く火照り、目がトロン、としている。
或斗は、香枝に触れた。
「……ごめんなさい……」
香枝は、荒い息を漏らしつつ、或斗を見た。
或斗は、香枝の手を握る。
そして、隠していた事を言った。
言霊の事を。
「……嫌いになったでしょう?私の事…」
香枝は、熱が引いているのが分かった。
頭痛が引き、目眩も止まった。
「そんな事ない。」
今度は或斗が、ぐったりしてきた。
香枝は、或斗の銀の髪を撫で、その小さな体を抱きしめた。
「貴方の事を嫌いになるわけない。
むしろ…逆に好きになったわ。
ちゃんと言ってくれたから…」
或斗は、泣いていた。
香枝は、またそっと微笑んだ。