二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 『星のカービィ』 短編集 (マルク編うp中!) ( No.17 )
日時: 2011/07/01 20:24
名前: 彌浪 ◆BWqKsmtrLo (ID: u6knrXHP)

「狂気の魂」中編

「君は何で復習しに来たの?」
僕は聞いた。
「……」
「マルク?」
「……!」
「うわぁっ!」
いきなりアローアローをしてきた。段数が増えている。
僕はぎりぎりすれすれでさけた。
マルクはニヤリ、と笑った。
理性が崩れていて、喋れないのだろう。
そして何度も、何度も……その羽から無数の矢を。
「ちょ……わっ!」
危ない危ない……
「当たるところだ……くっ!……うっ!」
どうやら僕は、いばらに巻きつかれたようだった。
刺が僕の身体に食い込んでゆく。
そのままマルクはブラックホールを繰り出した。
命のない空間だった。爆発が耐えない空間だった……。
『クク……ッ死ねェッ!』
この中でだけ、声が聞こえる。誰の声でもないのにマルクの雰囲気がする声。狂気に満ちた声。
何かが弾けている。この間—hole—の中で。僕はこのまま死んでしまうの?言われたまんまに死んで、消えてしまうの?
爆発の音がしなくなったと思ったら、僕は宇宙空間に投げ出された。体力が残り、一の一億分の一になった気分だ。
僕は言った。この体力で……声になっているのか、なっていたとしても、今のマルクに理解できるか、マルクの耳に届いているのか、それすら分からないけど……でも、宇宙の中の塵程の可能性を信じて、言った。
「狂うって、辛いんだよ。マルク自身は闇に身を任せていて、何も感じないかもしれないけど、辛いんだよ。マルクの心の奥と……皆がさ」
しかし……
マルクは、何か喋ってるな、という目でしかこちらを見なかった。
そしてシューターカッター。
来たっ!
「すぅぅぅぅぅ……カッターカービィ!」
「……!」
お?少しだけ焦ったか?
「へへっ、いくぞ!ファイナル……カッターァァァァァッ!もう一回っ!もう…一回っ!もう一回!もう一回……」

次に僕が目覚めたときには、斜め前にマルクがぷかぷかと浮いていた。
気を失っているようだ。もっとも、さっきまで僕もマルクと同じ状態だったのだろうが。

記憶が蘇る……
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「もう一回!もう一回……!」
マルクが傷ついていく。しかし動こうとしている。僕の無数のカッターの刃から。マルクがアローアローをやったのと同じ様な、状況がひっくり返っているだけ……。
マルクも体力がもう有るかと言われたら無いほどになった。そして僕もファイナルカッターを打つのが辛くなってきて、マルクがそこから抜け出して……
両者とも気合を為、マルクはシューターカッター(疲れていてカッターが一つしか出せなかった)を、僕はファイナルカッターを放った。
普通なら二つの刃がぶつかると考えるだろう。
……けど違った。お互いの刃は、相手の身体に直撃したのだった。

そこからは、僕も覚えていない。

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そして、僕は、そっと、マルクの身体に近寄った。

—後編へ続く—