二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 幻想の魔筆  参照200突破!  ( No.113 )
日時: 2011/05/28 13:35
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: http://http://www.youtube.com/watch?v


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「うあっ!!」

これで何回弾き飛ばされただろうか。
見えない壁にぶつかっていく本人ですら、わからなくなっていた。

「ハァ…ハァ…っ…—————だあっ!!」

頼りない足で、絵の具の混ざりきったマーブルの床を踏み切る。

「っ!!」

結果は、繰り返し変わらなかった。
磁石のS極とS極、N極とN極のように、引き離される。
叩きつけられるカービィの体は、絵の具だらけで、もとのピンク色がわからなくなっていた。

「どうして触れないの…!?」

捉えられている仲間に、触れることすらできないのか。


助けることなんて—————…不可能なのか…?


「ちくしょう!!」

ガン!と、床を拳で殴る。
だからといって何かが起こるわけではない。
かたまってきた絵の具にくっきりとカービィの手形が残っただけだ。
ジーンと手につたう衝撃に、カービィは顔をしかめる。

「ううううゥゥ…!!」

無力。
なんて、無力なんだろう。
なにが星の戦士だ。
大切な仲間が。
囚われているのに。
助けることも。
救うことも。
触れることもできないなんて。



ただ傍観者のようにしか見ることができないなんて—————



「ううううう…あああああぁぁぁ…!!!」

涙がでそうだ。
悲しい。
痛い。
でも。
皆の方が。
もっと、悲しくて痛い。

どうして。
どうしてこんなことに。
どうしてどうしてどうして?



ド   ウ   シ   テ      ?




…もっと

もっと強かったら…

もっと…力があったら…










『だから、僕と一緒に来ればよかったのに』









消失してしまった、親友の声が、心の中で、聞こえたようなきがした。










カービィは絶望した。





でも、すぐに終わった。



声が…聞こえる。








           …タスケテ






「え…?」







         …オネガイ






      …トメテ






「だ、れ…?」





                …タスケテ





「誰!?」






          …オネガイヨ




「ボクに…!?」




               …キテ





「え…」





         …キテ!







「えぇ!?」





            …ハヤク!









「か、体、がぁ!?」





        …オクル!






「き、消えてる!?」





            …キテ…ソシテ…








「う、わあああああああぁぁぁあああああああぁぁ!?」








      …『箱庭』ニ…ソシテ…—————

















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不思議な声。
誰とも似つかない、誰でもありそうな、不思議な声。

ここはデデデ城の王間。
絵の具でケバケバしいカリカチュア状態の広い部屋に、一枚の巨大な絵画が浮かんでいる。
絵にはありとあらゆるプププランドに住まう者が、囚われているように描かれていた。

この部屋には、誰もいない。





誰もいなかった。









誰もいなくなった。