二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 幻想の魔筆 ♪参照600突破♪ ( No.184 )
- 日時: 2011/06/22 20:27
- 名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)
「だいじょ…ぶ、だよ」
「!」
絵具の涙でグチャグチャの魔女の頬を、そっと触れる影があった。
「僕ちん…こんなのちっとも…いたく…ないよ…?」
それは、魔女のところまで体を引きずってきた、グリル。
その道筋は、血の道となっていた。
「グリ…ル…」
魔女は、口調も体を震えていた。
そう、傷つけてしまった愛しい存在が、恐ろしい自分のもとに来ているのだから。
殺してしまうところだったのに。
否、殺すところだったのに。
「アハ…僕ちんって、わりとじょうぶだよ?…ちょっとや、そっとじゃあしなないよ…?」
しかし、その体には、痛々しい刺し傷。
突き刺さった〝毒々しい刃〟が、彼女の小さな体躯を貫いている。
深く、深く。
血に染まった体は、小刻みに震えていた。
それは恐怖ではなく、悲しみで震えていた。
「ごめん…ね…僕ちん…なに、かドロシアに…いやなことしちゃったのか、な?」
「違う…!違う!あなたは…!貴方は何も悪くないのよ!悪いのは私なの!私が…!私が…あなたを…」
あなたを…—————
魔女の声は、声にならなかった。
溜まりに溜まった嗚咽が、喉から出てくる。
それでも、必死に何かを訴えようとする魔女の姿は、哀れだった。
美しさ、気品さ、魔女の〝盾〟であった〝綺麗〟は、完全に形を失っていた。
「ごめん、なさい…ごめ…なさい…ごめん…なさ…いっ」
魔女は、悲痛そうに、絞り出すような声で、血が抜けて白くなってきたグリルの体を抱きしめる。
グリルは、誤り続ける魔女を、残った力で抱きしめ返す。
「だいじょうぶ…僕ちんはねえ…ドロシアがだいすきだから…だって…さっきの…〝ドロシア〟じゃ…なかった、でしょ?」
その言葉を聞いて、魔女は驚きに目を見開く。
「〝ドロシア〟じゃあないんだから…ドロシアは…なぁんにも…わる…くない、よ?…カハッ」
グリルは血を吐く。
その血が、ドロシアにかかる。
赤い赤い、生命の証。
「ごめん…よごれちゃ、たね…」
「私はもっと…もっと汚れているから…!!汚くて気持ち悪くて…おぞましいものが…〝この体〟に詰まってるの…!!」
「ううん…ドロシアは…いつだって…きれ、い…だよ…」
ごめんんさいいったんきります