二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 幻想の魔筆  VSグリル 開幕・・・! ( No.211 )
日時: 2011/07/02 12:41
名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)

「ぶっ殺す!!」

グリルの言葉に、カービィは素早く攻撃態勢とり、泡銃を構える。
しかし、あまりに予想外なことが起こった。

「え!」

グリルはとびかかってきたのだ。
魔女は普通、遠距離からの魔法攻撃を得意としている。
だから、グリルもロングレンジで攻撃してくると思っていたが…

なんと、ホウキを鈍器のように振りかざして、特攻してきたのだ。

「らぁっ!!」

ブンッブンッ!と、すぐそばで何回も空気を切り裂く音が聞こえる。
ホウキでカービィを殴りつけるつもりだ。
空気を切り裂くというのは、たんにカービィが殴打をよけ、グリルが空ぶっている音だ。

「(これじゃあ間合いを詰められる!グリルは物理攻撃専門の魔女なのか!?)」

そんなものは聞いたことも耳にしたこともない。
それとも、グリルは魔女としては異端なのか?

「はぁ!!」

少々乱絶ではあるが、しなやかなフォームが、弧を描いてカービィを狙ってくる。
距離はもうかなり近い。

「(これじゃあ泡銃を撃てない!)」

銃というのは、遠距離戦のときに圧倒的な力を発揮するもの。
これほどの近距離肉弾戦になってしまえば、バレルで殴ったほうがまだ勝機がある。
構えるだけで時間の無駄になってしまう。

カービィは、距離を取るために、一気に後ろに跳ぼうとしたが…

「…っ!?」

「引っかかったね!」

カービィの真上や真後ろに、巨大な箱が幾分も連なって落下してきたのだ。

「わぁっ!!あぶなっ!!」

あれに直撃したら、間違いなくペシャンコになってしまう。
危険を察知したカービィは、すぐに退避しようとするが。

「逃がさないよぉ!!」

「うあっ!!」

正面に待ち構えていたグリルによって、ホウキの一撃をくらい、カービィは箱の落下地点まで飛ばされる。

「(しまった!)」

箱はもうすぐそばまで迫っている。
避けきれない…

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!

箱が雪崩のように、カービィのもとに流れる。
小さなカービィは、一瞬で姿が見えなくなり、箱の海にのまれてしまった。

「もうおしまい?あははははははは!」

グリルの楽しそうに笑う。
カービィの姿は見えない。
本当に箱につぶされてしまったのだろうか。

「まだだよ…!」

「む」

桁違いな大きさの箱と箱の隙間から、カービィが這い出てきた。
少し傷を負っているが、致命傷ではない。

「よくかわせたねえ…まあかわしきれたみたいではないけどね」

「最初ホウキで物理攻撃してきたから、てっきり魔法は使えないのかと思っちゃったよ」

「心外だね。これは物理攻撃魔法攻撃の連接コンボ技だよ!『アタックブロッカー』!破壊の『ブローカー』と箱の『ブロック』と兼ねた技名!センスいいでしょ!」

「結構怖い技だったよ!」

カービィは、スキを狙い、泡銃を構え、連射する。

「お話の最中に、攻撃なんて、ホント礼儀正しくないねぇ」

クスクス笑いながら、グリルは軽やかな手つきで、辺り周辺のブロック(箱)を操り、城壁のように自分の周りを囲んでいく。

「無駄だよ!ボクのバブルキャノンは『能力保存』の力が…!」

「じゃあその言葉!そっくりそのままお返ししてあげる!」

「え!?」

無数の泡弾が、ブロックの城壁に被弾する。
本来なら、その場でブロックは泡の中に収めることができるのだが、泡弾は空しく、パンパァンと割れていった。

「なんで!?」

「僕ちんのブロックには、あらゆる魔法攻撃は無効なんだよ!そんなもの、ただのおもちゃだ!」

泡を全部防ぎ終えると、城壁ブロックは一群となって、カービィを襲ってきた。

「(バブルは効かない!)」

カービィは能力解除し、バブルのコピーを捨てる。
ノーマル状態で、ブロックの群れをかわす。

「くっ!」

かわしきれず、ダメージを受けてしまうが、それでも足を踏ん張り耐える。

「あははははははは!この空間は僕ちんの魔法に、ひじょ〜に適した場所!なぶり殺しにしてあげる!!」

グリルはホウキにまたがって、傍観者のように、カービィを宙から見下ろしている。
みおろして、みくだしている。
見世物を見るような目。

「(広範囲魔法が使えるってさっき言ってたよね!?これって…かなりやばいんじゃあ…!)」

かなりではない、とてもやばい。

今、カービィは、ブロックに囲まれているのだから。







いったんきります。