二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 幻想の魔筆  VSグリル 開幕・・・! ( No.218 )
日時: 2011/07/03 12:03
名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)

意識を揺らすほどの、大きな衝撃を感じた。

「がっ!」

ブロックの直撃を、カービィは数発くらってしまった。

「と!りゃあ!」

その勢いを殺さず、宙に跳び上がる。

「無駄だよ!」

「!?うわああああ!」

ブロックは空中を浮遊し、カービィを待ち構え、回避の道を失わせる。

「かはっ…!」

中から地面にたたきつけられ、一瞬呼吸が止まる。
しかし、すぐに立ち上がらなければ、ブロックは数えきれないほどある。
無数の追撃をかわせない。

「逃がさないよ!」

グリルは今、この空間を盤上にたとえるなら、ゲームマスター(試合支配者)だ。
そして、カービィは、ゲームマスターの召喚する敵から逃げ回っている。
これは、ゲームだ。
ゲームのような、殺し合いだ。

この状況、グリルのほうが圧倒的に有利だ。
なぜなら、カービィはブロックの群れに圧倒的に苦戦している。

「僕ちんの魔法はねぇ!相手をなぶり殺しにするのに、最高に適してるんだよ!!」

グリルの周囲には、紫色の魔法陣が展開されている。
その魔法陣から、ブロックが生み出されている。
あれが、ブロック召喚の根源だろうか。

「(なら!あれを壊せば…!)」

ブロックを出させなくて済む!
カービィはそのことに気が付いて、グリルに向かって走り出す。
しかし、ブロックたちに阻まれて、思うように進めない。

「(なにか…コピーできるものがあるなら…!)」

あのブロックたちを吸い込んでも、コピーはできない。
でも、コピー星なら生み出せる。

「よし!ぽ…ぺええええええええええええええええ!!!」

轟音と共に、突風が巻き起こる。

「う…!?」

グリルの驚きの声が、わずかに響く。
そう、カービィはブロックの群れをまるごと、吸い込んでいるのだ。

「ええええええええええええええええぇぇぇぇ…!!!」

巨大なものも小さなものも、みるみるカービィの口に吸い込まれていく。

パックン!

一通りの吸い込み終えたカービィは、元の体の何倍も膨れ上がっている。

「いくよ…!パアアアアッッ!!!」

カービィは口を限界まで大きく開き、まぶしく輝く強大なコピー能力星をグリルに向かって撃つ。

「!?わ…わあああああっ!?」

よけようとしたグリルだったが、高速で出された、しかもでかい星をかわせず、ホウキでギリギリ防いだが、そのまま落下する。
星の欠片が、降り注いでいく。

「こ…のっ…!!」

地面に追突する寸前で、グリルはホウキにまたがって体制を整える。

「や…やっぱりうわさどおりだね…!カービィ…!!」

「じゃあ今度はこっちからいくよっ!」

カービィは駆け出す。

「(コピー能力はないけど!物理でなら僕のほうが…!いける!)」

ひるんでいるグリルのスキを狙う。

「あまいよ!!」

痛みに怖気ず、グリルはブロックを盾のように自分の周りに設置する。

「そんなもの!ボクがこえてみせるっ!!」

「嘘っ!?」

高く積みあがった盾を、カービィは軽々と乗り越えていく。
唖然としたグリルと目が合う。
カービィはグリルの真上にいる。

「(女の子を殴るのは…忍びないけど…!)」

カービィは決意を決め、右拳を作る。

「ごめん!!」

カービィは落下の勢いをそのまま使って、グリルを殴った。

「ううっ!!」

体重の軽いグリルは、くぐもったうめき声をあげて、後ろに吹っ飛ばされる。
魔法陣も、煙のように消え失せた。




いったんきります