二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 幻想の魔筆  VSドロシアついに開幕! ( No.334 )
日時: 2011/08/12 12:05
名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)

第十三楽章 VSドロシア(中編) 〜まっかなせかい〜



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「・・・!」


扉どころか、その拳が壊れてしまうほどの勢いで、扉を叩いていたグリルは、その動きを急遽止めた。


「なに・・・?」


何か不穏な空気を感じた。
空間をきられてしまい、カービィたちのいる異空間に干渉ができなくなってしまったグリルは、ただひたすら少しでも干渉しようと努力の最中であった。
そんなときに、嫌な感じがしたのだ。


「・・・まさか!」


グリルははっとして、無駄に長い廊下を足音を鳴らして走り、屋敷の外の庭が一望できる窓際に立った。


「!!」


そこでグリルは、目を疑う光景を見た。


「花が全部・・・枯れてる・・・!」


ドロシアの描いた美しい花々が、朽ちて茶色に全てしぼんでしまっていた。
それどころか、周りの森もどんどんエネルギーを吸い取られるように枯れていく。


「空が・・・!」


日差しの暖かな青空は、今では黒いペンキをこぼしたような空になっていた。


「このままじゃ屋敷も・・・ドロシアの魔法が切れかけてるんだ・・・!」


グリルは踵を返して、アトリエの扉の前に戻る。


「開いてよ!二人をとめないと!!」


グリルは扉を力いっぱい叩き、ドアノブをガチャガチャと激しくひねる。
しかし、開くどころか傷一つつけることができなかった。


「くそぉ・・・!開けてよっ!!」


ダアンッ!!


グリルは力いっぱい扉を殴りつけた。
壊れていくのは扉ではなく、グリルの手のほうだった。
血は滲み、脱臼しているかもしれない。


「くう・・・!—————どうして・・・!」


グリルは両拳を扉にあてたまま、ズルズルの跪いた。


「僕ちんはただ、ドロシアと一緒にこの屋敷で暮らしていきたかっただけなのに・・・カービィちんと、ドロシアが二人仲良くなってくれたらいいのに・・・!」


その二人は、きっと異空間で死闘を繰り広げていることだろう。
今のグリルでは聞くことすらできない。
蚊帳の外。


「ひどいよ・・・神様・・・!こんなのってないよ・・・!僕ちん・・・そんなに悪いことした・・・?罰が当たるようなことした?教えてよ・・・神様!」


ドン!と、大理石でできた床を、拳で殴った。


「どうして・・・争わないといけないの?どうして戦わないといけないの?どうしてドロシアが死なないといけないの?どうして・・・ひどいよ神様!こんな運命なんてないよ!!」


言葉の返事はなかった。
当たり前のようになかった。


「—————あはは・・・僕ちん、神様のことが今日、大嫌いになったよ。大嫌いだ神様なんて!どうして助けてくれないの!?ひどい!!神様なんて呪ってやる!!・・・・・・お願いだよ・・・もう、やめてよ・・・」












グリルは、扉をなでるように、手を添えた。