二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星のカービィ 幻想の魔筆 ♪参照100突破♪ ( No.39 )
- 日時: 2011/05/18 19:03
- 名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
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「えええええぇぇぇぇええええぇぇえええぇ!!??」
扉を開けたカービィの心情は
不思議。
疑問。
警戒。
困惑。
驚愕。
扉の外が、ありえないことになっていた。
非常に驚いたカービィは、〝変貌〟したプププランド中に響く、叫び声をあげる。
「え…えぇ?…と、突然こ、こんなことになっても…!?なに…これ」
突然の出来事。
いつものプププランドではない。
まるで、絵の中にいるような、世界になっていた。
簡潔に言うなら、絵画の世界になっていた。
青い空は、絵の具を塗ったくられたような空に
平原は、色鉛筆で縁どられたような大地に
唯一自分の家だけは、何も変化していなかった。
平面世界に迷い込んでしまったかのような錯覚。
ちゃんと立体で存在しているものと、平面に変化してしまったもの。
おかしい。
「嘘…なにこれ…」
カービィは混乱した思考で、変貌しきったプププランドを、呆然と眺める。
少なくとも、昨日はこんなふうにはなっていなかった。
いつだ?
いつ。
いつこうなった?
「…なんだよこれは…」
今自分が踏みしめている大地。
ベチョっと、絵の具が表面を覆っていた。
足が、緑色の絵の具で汚れる。
花も木も、全て絵のようになっていた。
自然が消えた。
自然じゃない。
誰かによって、施されたようになっている。
「皆…!」
自分は無事だ。
だけど皆は?
トッコリがいなかったのは?
遠くに見えるプププビレッジも、絵のようになっている。
「っ…!!」
カービィは走る。
絵の具だらけになっても走る。
朝起きたら、いきなりこうなっていました。
たった一夜でこんなふうになるか?
夢のような、話。
悪夢のような、現実。
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「皆っ!!皆どこ!?」
プププビレッジも、散々なる状況だった。
家が絵の具でベタベタになっており、地面はもう、絵画のように、けばけばしい模様で構築されてしまっている。
家具などはもう、平面なものもあった。
「皆!フーム!ブン!トッコリ!カワサキ!ガス!皆!!」
いつもならこの時間は、皆外にいる時間。
誰一人として、いない、
家の中にもいない。
消えている。
消失。
「ボクはここだよおおおおおおおおお!!」
必死に叫んで、駆け回る。
返事はない。
それどころか、何の物音一つしない。
「!うわっ」
ヌメヌメとした絵の具に、足を滑らせ、転倒する。
そのせいで、カービィの体は絵の具だらけになってしまう。
「どうなってるの…?」
そこらじゅう、否、全てのものが絵の具だらけだ。
いたずらにしては、度が過ぎる。
さすがのデデデだってここまではしないだろう。
…デデデ…?
「お城…」
そうだ!お城だ!
お城なら皆避難できる!
きっとみんなはそこにいるんだ!
「お城に急ごう!」
ガバッ!と立ち上がり、再び走り出す。
変わり果てたプププランド。
一体全体何がおこっているのだろうか。
カービィには見当つかない。
なんせ、さっき起きたばかりなのだから。
「ダークマター一族じゃあないよねこれは!」
走りながら考える。
ダークマター一族は、暗黒の力をつかさどる。
このようなことは、おそらくできないはず。
「誰だ…?」
ふと脳裏に、昔の友達のことがよぎる。
『マルク』
カービィを裏切った、昔の、親友。
「違う…!マルクじゃない!」
あの子はこんなことしない!
誰なんだ!こんなことをしたのは!
カービィは激走する。
目的地は、プププランドに君臨する巨大な城。
デデデ城。