二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 幻想の魔筆  アンケートはじめました ( No.79 )
日時: 2011/05/22 19:51
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)

地獄絵図————

カリカチュアされた…全て━━━━━━━━━━━━━━━━





呪いのように…





























「な」

自分の声が、自分の声だけが、自分の声だけの音が、もれる。

その声が、いかに蒼白し、恐怖に歪んでいるかは、自分にすら、わからなかった。











「なんだよこれっ!!!!!」

自分の絶叫だけが、その場に残る。







目の前は、皆がいた。

そう、〝いた〟。

確かに、〝いる〟。







「そん…な…!!!」









昨日までは、デデデが極楽に座っていた玉座の真上に、巨大な絵画が浮いていた。
針金などで止める間もなく、浮いている。
重力を無視している。

絵画には、プププランドに住む、ありとあらゆる住民、全てが描かれていた。




「みんなあああああああああああああああ!!」

カービィが叫びをあげつつ駆け寄るが、無駄だった。

「うあっ!?」

何かに突き飛ばされるように、弾かれてしまう。

結界のような防御壁でもあるのだろうか。

「ど、どうして…こ…こんなこと、に」

なんなんだ。

どうしてこんなことに。





フームもブンも、リボンもアドレーヌも、メタナイトもデデデも…


皆がここにいる。

ただ描かれているのではない。

〝閉じ込められている〟

気配がわかるからこそ、わかってしまう。






これは、皆だ。


皆この中にいるんだ、と。




「体も魂も…皆…この中に…」

縛り付けられている。
封印されてしまっている。

「なんなんだよお!!いったいこれは!!!」

冷気はひどくなる一方だ。
寒い。
けど、そんなことはどうでもいい。

皆の表情は、ひどく歪んでいる。

『助けて。ここから出して』

と言っているように。

悲痛に歪んでいる。

それが、哀れを誘ってしまう。




『助けてカービィ』

『お願いだ』

『助けて』

『早く』

『ここは寒い』

『嫌だ』

『嫌だ』

『助けて』

『カービィ』

『カービィ』

『あなただけでも』

『あなただけでも逃げて』

『助けて』

『逃げて』

『ここは嫌だ』

『元の世界に戻りたいよ』

『嫌だよ』

『苦しいよ』

『逃げなさい』

『助けて』

『助けて星の戦士』

『助けてよ』




『死にたくないよ』





それは、幻聴なのか…真実なのか。




「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

カービィは叫ぶ。
そして、めちゃくちゃに絵画に突進する。
あたりまえだが弾かれる。
だけどやめない。
くりかえす。
体が傷ついても。
やめない。
くりかえしてくりかえして。

「皆…どうしてっ…!!」

ぐちゃぐちゃのプププランド。
皆が閉じ込められている絵画。

どうしてこんなことに!

「誰だよ!!誰がこんなひどいことしたんだよっ!!!」


見えない壁にぶち当たっていく星の戦士は、何とも惨めに思えた。