二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂 空は思っていたよりも青くて。 コメを下さい。切実に。 ( No.40 )
- 日時: 2011/05/14 23:04
- 名前: ひゅるり ◆SDhkkrnOxE (ID: OG.Eam1W)
第九訓 心を覗いて。
灰音「・・・・・、つまり、私と、
李緒里か美紀のどちらかだけが助かる・・・・・ってこと。」
高杉「ああ、そういうことだ。」
灰音「・・・・私はどちらかなんて選べません・・・・。」
高杉「なら全員此処で死ぬかァ?」
灰音「・・・・・・・・。」
赤神「なぁ、希実チャン、あの子、どういう決断をすると思う?」
我は小声で訊いてみた。また、無視だろうか。
希実「私は・・・・・、」
赤神「あっ、喋った!!」
ギロりと睨み付けられる。
これ、蛇に睨まれた蛙って状態だろうか?
希実「・・・・・、私は、あの子は、普通では考えれないような決断を出すと思う。」
普通では考えられない?
どういうことだ?
赤神「我はあんな子の泣き叫ぶ顔が見てみたいよ・・・・。」
希実チャンはフッと鼻先で笑う。
あ、なんかムカつく。
希実「あの子は・・・・普通じゃない・・・・・・。」
赤神「どういうこと?
自分だけ助かってほかの二人を置いていく、とか?
それでもまぁ我にとってはいいんだけどね。」
美紀「ねぇ灰音、ごめんね。この前酷いこと言って。
私は、灰音のことが大好きだよ。
——————・・・・・だから私を、残してくれない?」
灰音「何言ってんの・・・・、美紀。
・・・・・私の答えはもう決まってるよ。」
にっこり笑って言う彼女。
暫くの沈黙。
高杉「ほぉ・・・。誰を残すんだァ?」
灰音「私は・・・・・・・・・・」
いよいよだ。
どんな決断を下しても、犠牲は出る。
どうするんだ・・・・。
灰音「私は、私自身を残す、此処に。」
彼女はそう言った、今までとは違う瞳で。
しっかりとした、強い光を持った目で。
赤神「は!?」
灰音「えっ!?何よ!!
『これ』が私の決断ですけど!!??
文句あんのか!!!!」
赤神「いや、だって、おまっ・・・・・」
李緒里「灰音、何言ってるです!?
こんなところに残ったら灰音は・・・・」
灰音「見たでしょ?土方さんから逃げたとき。
私はさー、念動力者なんだよね。
だから墜落しよーが爆発しよーが平気なんだよ。
逃げ切って見せるから。」
高杉「・・・・、でもお前、力を使いすぎてるんじゃないかァ・・・・?
ずいぶんと弱ってみえるが。
それに、こいつら二人はお前にとって命に代えても守るべき人間なのか・・・?」
そうそれだよ高杉君!!!
俺が聞きたかったことは!!!!
灰音「うっさいこのチビ!!!
そりゃ弱ってますよ!!
あんたの部下が私に襲いかかってきたんだから!!!
それ避けるためにも力を使ったんだから!!!!
つか、あんたが二人しか助けないっつーから
危険って分かっててもこんなことしてんだよ!!!!
分かんないの!?このバカーーーーー!!!!!!」
・・・・・、我は鬼兵隊の頭にここまで大口叩いている奴を今までに見ただろうか。
今だ半ば叫ぶように彼女は文句を言っている。
美紀「たっ、高杉さん!!!
私の事はもういいので灰音たちのことを助けてください!!!」
あの、『美紀』とかいうのが自分が死んでもいいからほかの二人を助けてくれという。
我には分からなかった。なぜ彼女らは、自分を犠牲にしてまで、
他人を助けようとするのかが。
灰音「美紀の馬鹿!!
なんで残ろうとしてんのよ!」
美紀「だって、灰音が残るとかいうから!!灰音が居ない世界なんて嫌なの!!!
だったらあたしが死んでもあたしはそれを
『運命』として受け入れるから!!!!!!」
灰音「・・・・・っ、
美紀さ、言ったよね、私に。
『「運命」なんて、もろくて、儚くて、
一瞬の輝きが世界を変える。だから綺麗だと思えるんだ。』
って、だったら、私が輝きになる。美紀の運命変えてみせる。」
ニコリと彼女は微笑む。
やはり分からない。
希実「・・・・、何で、あの二人は。
自分を犠牲にしても相手を守ろうとするのかな。」
赤神「・・・・・・・・。」
希実「やっぱり、『親友』だからなのかな。」
我は気になってきた。
この二人・・・・、否、『灰音』がこの先どうなるのか。
その答えを知るためには、ここで死んでもらっては困る。
だから我はこういった。
赤神「高杉、ちょっといーか?
今回の取引の条件。変更したい。こちらの要求は、
『あの三人全員の救出。』
できなかったら、取り引きは無かったことにしてねー。」
満面の笑みで。