二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: LILIN  ( No.10 )
日時: 2011/07/17 13:34
名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: PDV9zhSY)

思い返せば可笑しい点はまだある。

今現在や先ほどまでも。実際にこの校舎には誰もいないと仮定しよう、放課後、教室で誰もいない静けさの中俺は遅い昼食を取るボブと一緒に過ごしていた。すると一つの疑問が浮上する。誰もいない、裏を返せば教室はもちろん校舎には俺たちしかいない。その教室に彼ら、ある発展途上国の男たち、俺たちとは触れ合う機会のない連中が武装集団として押しかけてきた。さてお気づきだろうか? そう、彼らは“誰か”に俺たちの情報を渡されたと思われる。

俺にとってこれが全くの偶然だとは考えずらい。つまり、彼らを牛耳って情報を流し、そして襲うことを指示した人物がいると考えるのが普通だ。そしてその人物は“誰か”
は少なくとも俺とボブの事を知っている人物。

その人物を……もし狙われているのがボブなら彼自身予想はできるだろう。しかしそれが俺だったとしたら……たぶんその人物の事を知らないんじゃないかと思う。なぜなら……一番近い肉親が俺がまだ10歳も満たない間に消えたからだ。
だから例え“君の両親の知り合いで君を狙っている”
「〜で〜」という形式の順接を無視した不条理なことをその人物に言われても、俺には殆どその人物について不明瞭のままでしかないから何とも言えないよなぁ。


それをふまえて、誰もいない時刻について考えてみてもらいたい。そもそもそんな時間まで俺とボブはいない。部活どころか部活勧誘自体避けて手早く帰る俺たちがどうしてか今日この時間までいたことを知っているのだろうか、いや知るはずがない。
もし、今日の放課後の前から“その”ことを知っている人物がいるならば、“それ”を仕掛けなければならない。俺たちが放課後教室にのこるように仕向けるということだ。

もっと言えば、ボブが早弁ではなく遅弁をするように仕向ける“誰か”が…………あるいは、




「ボブが俺をあの連中が襲ってくるまで待たせるために、か……考えたくないが」
日がだんだん傾いてきて、夕焼けの光が渡り廊下を歩く俺にほんの少し温かみを分けてくれる。空を見てみると一番星が上っていた。そろそろ夜か。早く帰らないと叔母さん怒るかもなぁ。てか、こんな時間に食う遅弁なんて笑わせてくるもんだ。

ボブがトイレの窓から走り去ったのを見届けて、俺はC棟一階の女子トイレから出て、先ほど襲われそうになった教室に向かう。襲われてからまだ8分たらずなのにもうあたりは暗い。そこまで遅くまでまんまと居たとは、俺もお人よしだなぁ。


さて、どうして教室に向かうのか、8分ごときじゃまだ連中は居るかもしれないのにと思うだろう。たぶんだけど、一番安全な方法じゃないかなと思ったからだ。


大破した窓ガラス。机も俺たちが逃げる際に倒した分以上に倒れていた。
それを教室の入り口からながめ、決心する。

一歩、今教室に踏み入った。頭に何か筒のようなものを押し付けられる。それが何なのか当事者なら予想がつく。

「%&#=$#!‘#!“#$%&’!”#$%&‘?」
「……Yes we can 」

ドグッ

次の瞬間、思いっきり腹を殴られそれから記憶がなくなった。