二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: LILIN  ( No.7 )
日時: 2011/07/04 13:45
名前: そう言えばこしょうの味知らない (ID: PDV9zhSY)

「せ、せんせぇぇぇ!!! だ、誰かいませんかっ!」

階段を駆け降り、手すりに擦れる手も乳酸を帯びて重くなる。ほとんど運動いない俺には教室から職員室までの、A練からC練への距離がきつい。足にも肺にも質は違うが同様に重くなってくる。視界は一層に光を増して今すぐにもぶっ倒れそうだ。

A練の一階付近からずっと叫び続けているが、一向に返される気配がない。そんな状況が異様な恐怖を伝え、背中のあたりが静電気に触れたように奮い立つ。俺の前を同じく疾走しているボブにもそろそろ限界が来そうだ。

「誰か! 誰か来てくださいよぉぉぉ!!!」

やっと壁から解放された渡り廊下に出たので、もう一度叫ぶ……しかし、どこも応えは一緒だ。し〜んと静まって俺たちを隔絶するようにグラウンドは砂埃すら立てない。

「ほれ、お前もなんか叫べよ! なんかヤバクなりたいのかっ!?」
「……お、おかぁさ〜ん!!」
「スネ○かぁテメェーはー!!」

しかし、しょうがない、おかぁさ〜ん!! でも反応を待とう。
……反応ない。

「どうして誰も返事しないなだよ! 俺もうダメだ〜、スグル〜」
「母性つかみ損ねただけだ! 諦めずに叫べ! ……いや、隠れよう、あそこにっ」




                         ☆




国連特務機関ネルフサンフランシスコ支部。男はその5階、戦闘指揮官事務室のデスクに横着に座っている。金髪でアメリカンな好青年を感じさせる風貌と眉間にしわ寄せながら先ほど鳴っていた電話を耳に内線を待つ。

「Hellow? I`m ……あぁ、私だ。……ほう、するとあの子はまだ捕まらないのか? ……今お前らどこに居るんだ? ……学校!?」 

途端、男は体をビクリとさせ、衝動に駆られ立ち上がる。一瞬にして現れた彼の額の汗に焦燥と呆れが滲んでいる。

「おいアホ、なんでんなと、撤退しろって今すぐぅ……あぁん?…んなっざけんじゃねぇよ。 あれの公開前に色々公になったらどうするつもりでぃ、オメーらもろとも死刑だぜぇ? 雇ってやるんだからもっと巧く仕事しやがれ、じゃなきゃ減給だねぇ! うっせぇ、減給だゲンキュ—♪ へへ、ざまーみろ! ……んじゃとオメーらぁ!」

……驫木うぜぇ。

「……と言ったところですか? 驫木さん? 一応こんな感じに描写はしましたが……」
「ぬお〜! てめ〜島根なめんなよ〜!!」
「地元馬鹿にされたくらいでキャラ崩壊しないでくださいよぉ〜全くめんどくさいなぁ」

カチカチ。ということで、現在。鳥居スグルはこんな変な人、変態? でいいか。
ネルフ変態指揮官、驫木の魔の手に誘れているのでした。

「なんか嫌悪が混じって誤解が生まれそうだけど、こっちはこんな感じですっと。ところで今度の飲みに行きましょうね、そう言えばさん。送信」

男はやっと話がまとまったのか電話を切り、体重を思いっきりかけるようにデスクにまた腰かける。はぁ〜と深いため息をし、次に事の状態を嘆く。

「ふぅ、全く面倒な奴らだ」
「驫木さんのほうが……一旦彼らは手を引くですか」
「まぁ、そんなとこか。ところで市井は何やってるんだ?」
「原稿を、作者がJAPANから出られる状態じゃないとか……パスポートが奈良の鹿さんに食われたとか嘆いていましたが」
「原稿? なんの話だ?」
「さぁ」

PS:それは実のところ僕も気になるので、今度教えてくださいねぇ。そう言えばこしょうの味知らないさんっと。   送信。