二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [銀魂]———漆黒の空に蝶が舞う オリキャラ募集終了* ( No.27 )
日時: 2011/06/06 14:51
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)


第一訓 始まりって大事だよね


「あ゛ー、スッカリジャンプの事忘れてたわ」

銀髪天パの男・坂田銀時は、ジャンプを片手に持ち、リズム良く
階段を上っていた。
『万事屋銀ちゃん』と言う何でも屋のオーナーだが、家賃も払わないろくで無しである。

銀時は階段を上りきり、玄関の方へ目をやった。

——其処には、一人の少女が倒れていた。

「……誰?」


−−−−−−−−−−−−−

「銀さん、なに女の子誘拐して来てるんですか!?」

「ちげーよッ!家の前で倒れてたんだよ!!つーか俺がそんな風に見える!?」

「男は皆獣ネ。お前等二人、今日から私に近付かないで」

「つーか神楽ちゃん、なんで僕までェェェェ!!?」

銀時は倒れていた少女を家の中に入れ、寝かせておいたのだが、
バイトの黒髪駄眼鏡少年の志村新八と居候の大食いチャイナ娘、神楽に変な誤解をされているのである。

「にしてもこの子、何でウチの前に倒れてたんでしょうかね?」

新八は神楽に対する怒りを押さえ込むと、ソファの上で寝ている少女を見た。
歳は新八より一つ上くらいだろうか。その割には、少し幼い感じだ。
新八は、ソファに寄り掛かるようにして置いてある刀を見た。
刀は立派で、鍔に朱雀が彫ってある。

「……ん」

かすかな声が聞こえたのと同時に、少女が目を覚ました。

「あ、気が付いたアル」

神楽が少女の顔をヒョイッと覗き込むと、少女はガバリと凄い勢いで起き上がった。しかもその拍子に、神楽と頭をぶつけた。

「…あれ?」

少女は頭を抑えながら、琥珀色の瞳を忙しそうにキョロキョロと動かしている。
少女は銀時を見ると、恐る恐る尋ねた。

「あのー、此処ってもしかして、万事屋ですか?」

少女の問いに銀時が「そうだけど」と短く返事を返した。
その瞬間———、

「単刀直入で言います。あたしを万事屋で働かせて貰えませんか?」

にっこりと微笑む少女の台詞を聞いて、銀時と新八は、

「ハアァァァァァッ!!?」

と、驚きの声を上げた。


           ☆


「あたし、鳳朱音です。『しゅおん』って書いて『あかね』って読みます」

少女——朱音は軽くお辞儀をした。すると、新八は朱音に尋ねた。

「あのー、朱音さん。何でウチの前で倒れてたんですか?」

「まぁ、一ヶ月くらい何も食べないまま万事屋に来たんで、その所為で倒れたんだと思います」

「「「一ヶ月ゥゥゥゥ!!?」」」

朱音の台詞に、三人は驚きと半分悲鳴に近い声で叫んだ。
万事屋も金欠でご飯が食べれない日もある。だが、流石に一ヶ月は無い。大体三日ほどだ。

「え、じゃあ家は…?」

新八は恐る恐る尋ねてみた。すると、朱音は平然とした表情で言った。


「一応、徳川家の側近でした」