二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [銀魂]———漆黒の空に蝶が舞う ( No.46 )
- 日時: 2011/12/30 15:44
- 名前: 瑠々 (ID: bFAhhtl4)
朱音が万事屋に入って、丁度一週間が経った日。
神楽と定春の散歩ついでによった駄菓子屋で、もう二度と見たくないと思っていた制服を来た少年と少女と遭遇してしまった。
第四訓 嫌な事からはなかなか避けられない
神楽と朱音の動きがピタリと止まる。
二人の目の前にいる少年と少女も同様に。
神楽は少年を見てガンを飛ばし、
少年は神楽を見てガンを飛ばし、
朱音は少女を見て名前を懸命に思い出そうとし、
少女は朱音を見て面倒臭そうな顔をし、
ともかく、この四人の周りだけ不思議なオーラが漂っていた。
「——オイ、サドォ。なんでテメーが此処にいるネ」
「それはこっちの台詞だ。チャイナ娘」
「此処は私のお気に入りの駄菓子屋アル。なに許可無く入って来とんじゃ、ワレェ!」
「なに言ってやがる。此処はお前より先に俺が通いだした駄菓子屋だ。テメーが出て行きやがれ」
最初はガン飛ばしから始まり、次は言い合い。
終いには、手やら足やらで喧嘩し始めた。
一方、朱音と少女は駄菓子屋のおばちゃんからオマケでガ●ガ●くんのソーダ味とチョコ味を貰って食べていた。
(やばい。この人の名前、思い出せない)
一週間前に、『しんせんぐみ』とか何だかに連れて行かれそうになった時、二人の美人さんが止めてくれた。確かこの子がそうだった気がするが、名前が全然思い出せない。
朱音が1人で考え込んでいると、明るい声が聞こえた。
「あ、なぎー!そーごも!なにしてんの……あ」
(あ!)
朱音は、声の主の顔を見た瞬間、名前を思い出した。
美少女は楠渚、こちらの美人なお姉さんは月原砂夜だ。
砂夜は朱音の事を覚えていたらしく、「久しぶり、朱音っちー!」と笑いながら、朱音に近寄った。
渚は黙々とアイスを食べていた。
「朱音っちは旦那さんのところで働き出したんだよね。でも旦那さんの所より、真選組のほうが絶対いいよ!今からでも転職しない?」
「遠慮しときます」
にこにこと笑いながら言う砂夜に対し、朱音は冷たい笑顔で即断った。
砂夜が居るなら楽しいだろうが、真選組には鬼の副長——土方がいる。そして、なにより真選組は幕臣だ。
自分が嫌いな幕府に従うなんて、御免だ。
砂夜は朱音の気持ちを察知したのか、渚の手を引き、
「じゃあ、またねー!」と言いながら駄菓子屋を出て行った。
「うん、また…うぎゃっ!!」
砂夜に手を振った瞬間、朱音の後頭部に何かが直撃。
後ろを振り返ってみると、神楽と沖田が駄菓子屋の玩具を投げたりしていた。
「テメー等はいつまで喧嘩しとんじゃあぁぁぁ!!!」
神楽と沖田の喧嘩に朱音も加わり、大騒ぎとなった。