二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ヘタリア  Retour Pend  〜振子ハ戻ル〜 ( No.36 )
日時: 2011/10/16 08:05
名前: 珠理 (ID: OfqjeFpF)

第9話

イギリスは、ベルギーの思惑通りスペインに先制攻撃をするため南下していた。
「先手必勝ってことですね」
「こっちが勝つのは目に見えているけどな」
と、その時強い向かい風が吹いた。そのあまりの強さにイギリス艦隊は先に進めず立往生してしまった。
「マジかよ・・・」
イギリス艦隊に退却以外の道は無かった。
イギリスは向きを変えた。

だがこの時、空中に〝あの妖精〟がいたのだった。

「さっきの強い風、何だったんやろ?」
「いいんじゃないですか。僕達には有利ですから」
あまり抑揚のない声でポルトガルは返事をする。怒っているときの証拠だ。
「ポルトガル、何怒ってんの?」
「別に・・・。怒ってなんかいません」
と言い残しスペインから離れて行った。
「なんやねんあいつ。反抗期かいなぁ」
不思議そうにポルトガルの背中を見つめるスペインに、ポルトガルの部下が寄ってきた。
「ポルトガルさん、貴方が来てからずっとあの調子ですよ」
「・・・何でや?」
そこで部下は思いだした。スペインが恐ろしく鈍感な事を。
「この際だからはっきり言いましょう。あなたの空気読めないことといい、武力で征服することといい、植民地の原住民に対してのたいどといい、ポルトガルさんはあなたのことをあまり好きではないいんです」
「え、でもそないなこと言うてへん・・・よ?」
「ポルトガルさんが自分の思っていることをずかずか言わないことぐらい知ってますよね」
あぁ、それと、と言い部下は付け加える。
「ポルトガルさんは信用していない人の隣に立つことはありえないですね」