二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: デュラララ!!×α ジャンル紙だったようです。良かったぁ…… ( No.5 )
日時: 2011/06/03 11:42
名前: 唄李 ◆Ua0yrvSvWg (ID: 8HTDhaI.)

第一章 日常=非日常


「で、ここを右に曲がる」

「ふむ、ここを右に曲がる……と、見えてくる」

池袋の駅近くにある来良学園の近くで、静雄が直を案内している頃……
来良学園職員室では、何度目かになる臨時の職員会議が開かれていた

♂♀

重い空気に包まれた来良学園職員室にて、一人の職員が口を開いた

「では、今回も今年度入学する『平和島直』についてですが……」

「兄が兄なら妹も妹、という事は無いと思いますが」

「妹だったんですか? てっきり弟だと……」

「えー、対応としては、とりあえず普通の扱いで……」

「そうですね。下手に特別扱いして問題になるよりは……」

「では、その方向で」

こうして、職員会議が終了したのであった

♂♀

とあるアパートの一室

「ふむふむ、兄さんはまた色々やってるようですな〜……」

日中であるにも関わらず薄暗いアパートの一室で少女がデスクトップパソコンと向かい合っていた
画面の青白い光がこの部屋の唯一の光源らしい
遮光加工がしてあるカーテンを閉め切り、部屋の照明も点けない中でドーナツを頬張りながら画面の中の情報を処理していく少女

——まあ、兄さんが何かやるなんていつもの事だけど……
——それでも、火の粉がこっちに降って来ない程度にしてほしいよね〜

少女が情報を処理し終わった時、脇に置いていた携帯電話が震えた

——ん? 誰だろ。くーちゃんとかまーちゃんとかかな?
——兄さんだったら……無言でいいよね

そんな事を考えながら携帯の通話ボタンを押す
すると、少女にとって聞きなれた声が耳に響いた

「もしもしー! キラ姉げんきー?」

「お、当たった……。げんきげんきー。くーちゃんはげんきー?」

電話の声を聞いて薄く笑う少女

「クル姉も元気だよー! 私も元気だし、変わらずだよ!」

「そっか、良かったよー。兄さんは相変わらず変な事してるらしいよー」

「イザ兄もかぁ。巻き込まれたら私とかクル姉に言ってね! 飛んで行くから!」

「りょーかい。んで、何で電話?」

「いやー、暇だったからどっちが早くキラ姉に電話できるか競ってみたの。ねぇ、クル姉」

「そっかぁ、私は出かけようかと思ってたら電話がかかって来てさぁ、ナイスタイミングだったね」

「それじゃあ、そろそろ切ろうかな。またねー、キラ姉」

「バイバイ、まーちゃん」

電話を切ると、立ち上がって床に落ちていた紺色のパーカーを足に引っ掛けて取り、玄関に向かう
玄関でドアを開くと、今まで薄暗かった部屋に日光が差し込み、少女は眩しそうに——実際、今まで薄暗い部屋で作業していたから眩しいのだろう——目を細め、外に出た

——さて、今日も変わらず日常を求めましょうか

ドアの鍵ををかけながら、少女はまるで、遠足を明日に控えた子供の様に笑った