二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 私と彼の七日間. ( No.5 )
日時: 2011/05/31 19:33
名前: 乙亞 ◆VaTW4xNXp. (ID: K75.VLwZ)

( みっかめ、! )



 昨日の、少年達は一体何だったのだろう。私は彼等を知っている気がして、ならなかった。
 悶々と考えこんでいると、デモーニオが私の部屋をこんこんとノックする音が聞こえ私は慌ててどうぞ、と声を掛けた。がちゃりとドアノブを回す音が聞こえ、彼が視界に入ってくる。

「どうしたの?」
「……ソウ、すまない」

 珍しく弱々しい声音で私に謝り、柔らかく縋るように私を抱き締める彼。何事かと私は驚きつつも、彼の体を抱き締め返した。
 尋常ではない様子に、私はそろそろと言葉を発する。

「——何が、あったの」

 デモーニオに、全てを聞いた。
 人間強化プログラム、カゲヤマさんの考え、視力の損失——あぁ、こんなにも若い彼等には重い言葉ばかりだった。
 どうして、デモーニオはそんなに鬼道を倒そうとするの?

「……オリジナルに、勝ちたい」
「全力でサポートするよ、デモーニオ」

 気が付けば私は勝手にそう言っていた。
 鬼道有人——彼に恨みがあるわけではなく、此処までしたのならば勝たなければ意味がないとそう思ったから、だ。
 早速私はカゲヤマさんにマネージャーになりたい、と頼み込みチームKのマネージャーとして皆をサポートすることになった。
 イタリア代表には、ちゃんと言っておいた。まさかフィディオがイタリア代表だとは思わなかったけれど、

「……デモーニオ、」

 小さく名を呼べば彼は何だ、と振り返る。
 ——好きだよ、
 私はその想いを伝えぬまま、何でも無いとはぐらかす。嗚呼、この試合が終わった後に言おう——



( 好きだよ、デモーニオ )
              ( 好きだ、ソウ )