二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 私と彼の七日間. ( No.6 )
日時: 2011/06/01 18:33
名前: 乙亞 ◆VaTW4xNXp. (ID: K75.VLwZ)

( よっかめ、! )



 ——皆が、必死で練習をしている間。
 私はのんびりとイタリアエリアを散歩していた。イタリアの街並みを再現した此処は、何故かとても居心地が良い。まあ、元々外国が好きだということもあるのだけれど。
 ふと、甘い香りが漂って来た。きっと何かの屋台でもあるのだろう、と。そう考え私は甘い香りのする方向へと歩きだした。

「わぁ……!」

 屋台で売って居たものは私好みの砂糖菓子で、ライオコットではよく見かけたお菓子だった。
 きっと一つのエリアに一つ屋台があるのだろう。つい先ほども買って食べている人達を良く見かけた。

「食べよーっ」

 私はお小遣いの残りでその砂糖菓子を買い、もふもふと食べ始めた。
 すると、向こうからがやがやと声がしてくる。
 誰だろう、と目を凝らすと其処にはフィディオや円堂達が居た。
 ブラージに怪我をさせたし、他の皆が去っていったし、きっと助っ人なのだろう。
 もそもそと砂糖菓子を食べつつ眺めていると、フィディオが声を上げた。

「ソウ!」

 嗚呼、タイミングが悪いなあもう。
 フィディオが名前を呼ぶと、円堂と鬼道だけが大袈裟に反応し此方を凝視してきた。
 一体何だと言うのか。私は如何にも懐かしい気がするが多分人違いか何かなんだぞ。

「——フィディオ、どうしたの?」
「ソウがミスターKと居たって、聞いて、!」
「嗚呼うん、そうだけど?」

 思いっきり肯定すると、フィディオはショックを受けた様子を見せた。
 他の人達は敵意を剥き出しにしている。

「ねえ、フィディオ」

 私はフィディオを抱き寄せて耳元で囁く。
 ——相手を混乱させるための、罠。

「フィディオ、——私ね、」

 続けた言葉を聞き、フィディオは今度こそ絶望した表情を浮かべた。



( 私、皆の敵になるわ )