二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 星命の言葉 ( No.57 )
日時: 2011/06/11 22:13
名前: 彌浪 ◆BWqKsmtrLo (ID: u6knrXHP)
参照: 呪われた騎士団3のゴーリー戦の後…泣ける。

第四話 「鏡というもの」

ふと気がつくと、僕は、見覚えのある場所に居た。
『ボク』と出会った、鏡のある空間。それと同時に、僕の中間点である……と、『ボク』は言っていた。
一言で、「暗い」と言えないけど、確かに暗い、いつ見てもいつ来ても——といっても、二度目だが——不思議に包まれた空間だ。
まぁ、夢か現実かは、分からないが。

「よう……『僕』。またここに来たのかい?」

この声は、『僕の声』であり、『ボクの声』でもある。
でも発しているのは、——『ボク』。

「別に、僕だって……来たくて来たんじゃ、ないんだけどね」

そう言いながら、自分の記憶を探る。記憶の欠片を探り当てるまで。
『僕』の記憶じゃなくて、『ボク』の記憶かもしれないけど。

「ふぅん……まぁ、あの後は、こうなったんだ。もう用は済んだろう」
「あの後って?」
「おいおい……。自分の記憶を探してごらん?自ら口にした言葉は、小さな欠片として残っているはずだ」
あ……、まだ探してる途中だった。
あの後…どの後だ?
僕、そんなこと言った?

「この後、どうなっていくんだろう……」

あぁ、確かに言った。
でも、僕が探しているのはこんな近い未来じゃなくて、もっと、大きな事が起こった後なのに……。

「これも、発展していく物語—story—さ」
「発展していく物語……。よっ……、今、僕の考えてる事……読んだよね!」
「ここは、お前……ボク達の中間点だからね。」
「ふーん。」
「それと……物語のページは、お前自身が開くんだ。他人に開いてもらったページは、その色に染まってしまうから、お前が切り開くんだ。ボクは、その物語を、鏡に写し取って、待っているから……。ボクの物語は、お前の影で、ほら……次のページへ、駒を進めてみなよ……」

「……」

そう言い残し、『ボク』は何処かへ。
また、暗い空間に、独り。
——まるで、鏡達が……寝静まったかの様に……。


そして、別の物語も、鏡に写されたかの様に……
陽と陰が、出会う時。

ほら、本をめくってごらん……?