二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 星命の言葉 ( No.84 )
日時: 2011/07/04 16:04
名前: 満月の瞳 (ID: A2bmpvWQ)
参照: おそくなってごめんなさい

第九話 「闇の剣士」


小さな突風とともに、シルエットがうきあがった。
最初に視界に移ったのは、蝙蝠のような漆黒の翼だった。
ふわりと、カービィたちの目の前に突如現れた。

「…メタナイト?」

カービィは、プププランドの剣士の名を呼ぶ。

まるで闇を取り込んだような気迫。
少し黒ずんだ銀の鉄仮面を顔につけている。
片手には、見覚えのある形の剣。
しかし、色が違う。

それでも、外見的には、メタナイトだった。

「メタナイトだよね!わぉ!久しぶり!偶然!」

「誰?知り合い?」

はしゃぐカービィとは裏腹に、グリルは怪しそうにメタナイトを見つめる。

「メタナイトっていって!プププランドの剣の達人!」

「…ふぅん…。で?なんでそのお偉い剣士様がそこにいるの?」

「確かに。メタナイトも魔法失敗してここに来ちゃったの?…でもメタナイトは魔法使わないよね?」

カービィたちの目の前にいる、漆黒の剣士は答えない。

「それとも僕みたいになんかよくわからないけどここに来ちゃったかんじ?」

メタナイトは答えない。

「…どうしたの?」

カービィは不思議そうにないけどをかしげる。

メタナイトは身動きせず、不気味に光る瞳でカービィたちを見ている。

「(あれ?メタナイトってマントの色って黒だったけ?)」

カービィは疑問を持った。

「(確か…紫だった気がするような…剣ももっとぴかぴかな金色で…ん?メタナイトの仮面に深い傷がついてる)」

メタナイトの顔を覆い隠す仮面の右目部分に、盾一直線の深い傷がついている。

「ね…ねぇカービィ…」

グリルがおびえたような声を出す。

「なんか…いやな予感がするんだけど」

「そう?」

「あいつ…なんかやだよ…」

「?」

「だって…暗黒物質ダークマターがあいつに集まってるんだもん…!」

「え!?」

カービィは驚きの声を上げた。

それが合図だった。




ゆらり—————

メタナイトの体が揺らめくように動いた。

そして、次の瞬間にカービィたちにとびかかってきたのだ。

「えっ!?」

「ああっ!?」

あまりに突然のことで、2人とも硬直したまま動けなかった。

メタナイト…否、もうメタナイトとは呼べない『誰か』の剣が、閃いた。