二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】 笑顔の仮面 ( No.21 )
- 日時: 2011/07/02 17:09
- 名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: nr6SQxhq)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?473454
期日まで、後一週間。
かぐちゃんにだけは黙っていたけれど、そろそろ、打ち明けなくちゃいけない。
ねぇ、聞いて__!
『かぐちゃん…私ね、来週引っ越すの。』
『___知ってる。』
いつも通りそっけなく言ったかぐちゃんは、私に何かを放ってよこす。
『さーやはね、考えてる事とかいつも顔に出てるから、ちょっと注意して見てればそんなの分かるんだよ。』
『そう、なの…?で、これは、何?』
『見て分からんか、おそろいのスカーフ。』
春も、夏も、秋も、冬も、いつもかぐちゃんは紫地に黒い蝶の絵が入ったスカーフをしている。
私は前々からそれを見ては『いいなー、いいなー』を連呼していたから、これをくれたのだろうか?
『でも、これ、かぐちゃんのじゃ…?』
『ばーか、誰が己の使い古したぼろぼろをプレゼントにするかよ。それは新品!』
笑顔で言うかぐちゃん。…もう、この笑顔が見れるのもこの一週間で最後。
『かぐちゃん…かぐちゃんっ!』
『うおわっ!何してんださーや!』
急に悲しくなってきて、思いっきりかぐちゃんに抱きつく。
『あ、暴れんなって、な?体に悪いってば。』
『もうっ…今は体の心配なんてしないでよ。__最後の一週間、ずっとそばに居てね…?』
『あっ、当たり前だろうがっ!!ったく』
照れてそっぽを向くかぐちゃん、その横顔をじっと見つめる。
こんな風にじゃれあえるのも、軽く口喧嘩するのも、一緒に笑い合うのも、もう出来ない___。
わたしは、残された一週間を悔いの無いように使おうと決心した。
『よーし、月姫!団子食べ行こうっ!』
『い、いや、なんでいきなり団子っ!?まあ、良いんだけどさ。』
〝かぐちゃん〟から〝月姫〟に変わったのに、気が付いているのかな…?
『今は金持ってないから…行ったん家に帰ってから行こう。な、沙夜華?』
『ッ!!!……うんっ!行こう』
暖かな日差しの中、手を繋いで走る、2人の少女。
二人の絆は、永遠だった。