二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲 今はアブストラクト・ナンセンス ( No.2 )
日時: 2011/06/06 09:12
名前: 紅薔薇 (ID: vQ7cfuks)

Ⅰ 日常がつまらん。

「ねー、リン!将来の夢なにしたー?」

将来の夢に関する作文を———それが今日の国語だった。

ミクがパタパタとやってきて、話しかける。

「まだ何にも。とくにきまってないわ」

「ふーん。私は歌手って書いた」

わたしはケータイをピコピコやりながらミクの話を聞いた。

「だってミクは歌上手いでしょ?わたしは特にそういうのは…」

「でもリンは声が綺麗だし…」

そんなこと言われても、わたしはその作文を机上の空論としか思えないんだもん。

鉛で紡ぐ将来設計。シャーペンの芯て鉛だよね…

はっきりいっちゃうと、わたしは学校自体嫌いなんだ。

耳を澄ましてみれば、あちこちでうわさ話が聞こえる。

人の悪口も、もちろんいっぱい聞こえんのさ。

「ねー、ここだけの話ねー!」

どこかから声が聞こえてくる。声が大きいよ、聞こえてるからね。

「リンて、バイト2コもやってるらしいよ!」

「校則違反じゃーん!!」

…………。

だって家計が苦しいのよ、わたしのお小遣い少なすぎんのよ。

ミクが嫌そうな顔で私の腕を引っ張った。

「行こう。ここヤダ」

ずるずると引っ張られていくわたし。でもこんな風に行動力があるミクがわたしは好き。

わたしといると、ミクまで悪口言われるよ?

そう言ったことがある。

でもミクは、

「へーき!」

それだけの返事をして、わたしに一緒にご飯食べよー、と言ってくれた。

とっても強くて、優しくて美人で。

わたしの親友だと思っている。他にも、2・3人は友だちはいるけどね。